平成26年式 レクサスLS460 USF40
トルコン太郎によるATF圧送交換のご依頼です。
現在の走行距離は52,421KM
交換に使用するATFはハイパフォーマンスATF「パワークラスタATFレーシング」
パワークラスターATFレーシングとは?
ベースオイルにはコンプレックスエステルとアルキルナフタレンを採用した高性能モデルです。
極圧性が高く、スポーツ走行などの長時間の高温状態にも耐久性をもたせ、伝達能力を向上させます。
伝達能力低下が原因で生じたトルク不足、燃費の悪化、レスポンスの悪化をよみがえらせる特殊なブレンドオイルです。
パワークラスターATFリーフレットより引用
「化学合成油」と、ひと言で言っても「全合成100%」なのか、「部分合成」なのか、ピンからキリまで存在します。
オイルに詳しい方ならご存じだと思います。
こちらの「パワークラスターATFレーシング」は、もちろん100%化学合成になりますが、その中でもトップクラスのハイパフォーマンスATFになります。
今まで、いろいろなATFを試してきましたが、今までのATFとはレベルが違うのでは?とすぐに感じました。
オーバースペックとも思えるオイルですが、日々酷使され劣化したAT/CVTを新車のように蘇らせるとともに、ミッション内部の保護にも非常に有効です。
オートサプライ鈴木の取扱いATFに新たに仲間入りした「パワークラスター」
弊社サイトでそのことを告知すると、早速お問い合わせが入りました。
実は、1年ほど前にATF交換をご利用いただいたLS460のオーナー様からの交換依頼でした。
当時の走行45,251KM。
ATF交換・オイルパン洗浄・ストレーナー交換を実施しています。
その時の様子です。
交換前のATFは距離を考慮すると非常にきれいな状態でした。
初期補充とプレ洗浄はスタンダードATFを使用して、某社外高性能ATFへアップグレードしました。
その後は調子よくお乗り頂いていたそうですが、高速走行にてATの熱ダレを感じ、空冷式のATFクーラーを取付けされたそうです。
バンパーの中をよく見るとそれらしきものが確認できます。
「ATFクーラーを装着してひと安心」ですが、弊社で新たに取り扱いを開始した「パワークラスターの巷の評判が非常に良いので試してみたい」ということで今回の入庫となりました。
余談ですが、ATFクーラーは、某チューニングパーツメーカーさんの直営店で装着されたということです。
後付けオイルクーラーホースの取り回しや固定が非常に丁寧な仕事ぶりを感じました。
いい加減・適当な仕事をする輩が増えたと感じる自動車整備業界ですが、久々に見させていただいた他社様のすばらしい仕事ぶりを見て「やる気MAX」になったところで本題に入ります。
まずは、いつものように事前チェックからはじめます。
走行試運転へ行ってきます。
試運転は快調そのものです。
車もATも本当に調子が良いとしか感じません。
8速ATが「スコスコ」とスムーズに変速していきます。
前回のATF交換から6,000KMしか走っていないのですから当然ですね。
ピットへ戻り外部診断機を接続します。
作業前に故障コードの確認です。
2つの故障コードが確認できましたが、今回の作業には問題ないものでした。
ATやエンジン系統に故障コードがないことを確認して作業開始です。
まずはリフトで上げる準備をします。
エアサス車は細工が必用です。
トルコン太郎を使用したATF圧送交換はエンジンを回した状態になりますので、この細工を忘れるとエアサスが破損してしまいますので重要な作業です。
もう一つ大事なことですが、昨今のATFは「オーバーフロー方式でのフルードレベル調整」が主流ですので、車を水平に持ち上げる必要があります。
プレート型リフトなら比較的簡単なことかもしれませんが、画像のようなリフトを使用する場合は調整が必用です。
ATのオイルパンです。
今回は、ドレンプラグは触りません。
もう一方のオーバーフロープラグだけ使用します。
トルコン太郎を接続する準備です。
先ほどご紹介した「職人の丁寧な仕事ぶり」です。
既存のホースと後付けホースがきれいに固定されています。
トルコン太郎を接続するにあたり、ホースを抜きます。
その時に排出されるATFをサンプルとして採取します。
6,000KM使用したATF。
新品同様の透明度でした。
トルコン太郎接続完了。
エンジンを始動します。
エンジンを始動すると、レクサスLS460のAT内部に流れているオイルが、トルコン太郎の真ん中のモニターに流れ込んできます。
いつもは、ここで真っ黒なATFを見ることになりますが、ご覧ください。
モニター内部のフィルターの模様が見えるほど透明度があります。
トルコン太郎に「パワークラスターATFレーシング」をセットします。
パワークラスターはトルコン太郎にセットすると裏向きになってしまうんですね。
交換に使用するオイルはパワークラスターATFのトップグレードの「ATFレーシング」です。
ATオイルクーラーが後付けされていますので(全量+α)×1.2倍量で14.5リットル使用して交換します。
それでは、圧送交換を開始!
14.5リットル使用したATF圧送交換が終了しました。
圧送交換が終わるとLS460のAT内部を流れているオイルが、トルコン太郎の真ん中のモニターに流れ込んできます。
左側の新油モニターとの比較です。
新油と同じ状態になりました。
寄ってみるとフィルターの模様がくっきり。
ATF交換前との比較です。
圧送交換が終わり、フルードレベル調整用のATFを補充してトルコン太郎を切り離します。
しかし、昨今主流のオーバーフロータイプのATF交換はここで終わりではありません。
ここから先の方が時間のかかる作業になります。
トルコン太郎を使用した圧送交換は、エンジンをかけた状態でATF交換をしますので、エンジン水温・ATF油温が上がってしまいます。
ATF油温は72.5℃まで上がってしまいました。
ここから、フルードレベル調整ができる温度以下まで冷却する必用があります。
作業日の気温は29℃。
自然に下がるのを待っていたら明日になってしまいます。
スポットクーラーを使用して強制冷却をしていきます。
全体をムラなく冷やしていきます。
待つこと約2時間半・・・。
目的の温度まで下がりました。
スポットクーラーを使用して強制冷却をすると、エンジン・ミッションの温度ムラが発生しますので秘策を使って均一にします。
温度が落ち着いたら、エンジンを始動して少しずつATF油温を上げていきます。
オーバーフロー可能温度域になったら、オーバーフロープラグを外します。
文章にすると簡単な作業ですが、ATコンピューターを「油温検知モード」に入れたり、「短絡ピンを抜いたり」と実は煩雑な作業になります。
慣れるまで「難しいと感じる作業」です。
年間数百台のATF/CVTオイル交換を実施して慣れた作業ですが、緊張が走ります。
この時ばかりは、電話にも出られませんし、来店対応も絶対にできません。
失敗が許されませんので、お許しください(笑)。
目的の温度なりました。オーバーフロー開始。
比較用のサンプルを採取します。
AT内部から出てきた交換後のATFです。
オーナー様はオイルの状態を直接確認できませんので、こちらのボトルを使用して確認していただいております。
オーバーフローによるフルードレベル調整がが完了したら、新品ガスケットと交換してオーバーフロープラグをメーカー規定値で締め付けします。
外したアンダーカバーを取付けしたら、車をリフトから降ろします。
「パワークラスター」×「トルコン太郎」、最強・無敵の組み合わせです。
左:交換後 右:交換前(某社高性能ATF)
物理的なATF交換作業は終わりましたが、作業はまだ続きます。
外部診断機を使用します。
今回の作業で車にダメージを与えてしまっていないか確認します。
当然ですが、故障コードはありません。
次に、ATのコントロールコンピューターの学習値を初期化します。
通常、メーカーでは、ATF交換ではこの作業を必要としていませんが、まったく性格の違うATFに入れ替えをしていますのでリセットしておきます。
初期化も完了して最後の走行試運転へ。
交換前に比較して、低速域から明らかにトルクの伝達力が上がっていることを感じます。
アクセルを軽く踏み込み加速してみると、V8エンジンの圧倒的なトルク感を感じます。
発進加速、変速はスムーズそのもの。
まるで、「新車のような感じ」という表現が最適かもしれません。
新車の時は、エンジンもATもデフも全て新品、オイルも新品で全ての動きがスムーズ。
軽くアクセルを踏むだけで、スムーズながらに力強り走りを体感できたと思います。
しかし、時間や走行距離とともに各部は劣化して、駆動系のロスも増え、燃費も悪くなります。
そこで、オイルをグレードアップすると、新車のようなフィーリングがよみがえる。
そんな状態へ戻してくれるのが今回使用した「パワークラスターATF」かもしれません。
耐熱性は国内で市販されているATFのトップクラス。
夏場も油温を気にせず快適なドライブを安心して楽しむことができます。
違いの分かる方にぜひお試しいただきたいオイルです。
お問い合わせはお気軽に。
オーナー様のご感想
ATF交換後、すぐにオーナー様からメールにてレビューをいただきました!
オーナーのS様、この度のご入庫と交換後のレビューをいただきありがとうございます。
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