クラウンマジェスタ URS206

トルコン太郎のATF全量圧送交換のご依頼です。

 

現在の走行距離は102,302KM。

 

中古で購入のため過去のATF交換履歴は不明。

 

現状で不具合はないが、オートサプライ鈴木のブログをみて「ATF交換後の反応が新車時くらいのパフォーマンスに戻るくらい良いため自分も施工してもらいたい」ということで今回のご入庫となりました。

 

複数台所有しているので、この車の年間走行距離は1千KM~多くても2千KM。

そのため、「交換はスタンダードATFでよいかな」ということでしたが、ATFのアップグレードとデフオイルの交換も検討しているということでした。

 

入庫ご来店当日、スタンダードATFと高性能ATFの性能や費用などをご説明させていただき、オーナー様が選択されたのは、「パワークラスターATFビレンザPRO・オートサプライ鈴木オリジナル」。

 

パワークラスターATFビレンザPRO・オートサプライ鈴木オリジナル

 

パワークラスターATFは、国内で市販されている中で最高性能だと感じます。

その性能は有名な他社トップグレードATFよりも上。

 

性能が良ければ、当然お値段も上がります。

オイルの材料が高価なため仕方がないことですが、敷居が高くては使ってもらうことができません。

 

そこで、他社トップグレードATFと同等の価格帯でお試しに使っていただけるよう「オリジナルATF」を作ってもらいました。

 

オートサプライ鈴木のオリジナルATFになりますが、店主がブレンドしている訳ではありませんのでご安心ください。

 

パワークラスターのオイルブレンダーさんが、上質なベースオイルにエステルやアルキルナフタレンをバランスよく配合してくれたスペシャルATFになります。

 

オートサプライ鈴木で取扱いしている「パワークラスターATF」のなかではエントリーモデルになりますが、他社トップグレードATFよりも上回る性能を誇っております。

 

ぜひお試しください。

 

 

前置きが長くなってしまいましたが、クラウンマェスタのATF交換をご紹介します。

 

 

まずは事前チェックから。

 

 

走行試運転へ行ってきます。

クランマジェスタURS206

V8 4600CC と 8AT の組み合わせは、パワフルかつ上質な走りを実現しています。

 

低速からトルク感があり、アクセルを踏み込めばパワフルがエンジンが一気に高回転まで回ります。

 

エンジンは絶好調、ATもスムーズな変速。

 

しかし、何かパワーロスしている感じです。

エンジン回転数と車速が一致していないというか、エンジンのトルクやパワーがロスしてしまって活かされていないような感じ。

 

おそらく、新車から一度も交換されていないATFが経年劣化して、動力伝達が低下しているものと思われます。

 

変速はスムーズですので、AT本体は好調だと判断できます。

 

 

ピットへ戻り外部診断機を接続して、故障コードを確認します。

いくつかの故障コードが確認できますが、今回のATF交換作業には支障がありませんので、作業を進めます。

 

故障コードは、完成お引渡し時にオーナー様へご報告しています。

 

それでは、作業を開始します。

 

エアサス車ですので、リフトで上げる前に細工をします。

 

忘れてしまうと、エアサスを破損してしまいますので忘れずに行います。

 

 

車をリフトで持ち上げます。

 

 

エンジンの下は全面カバー

 

マフラーに両サイドを囲まれたATミッション

 

手前がドレンプラグ、奥がオーバーフロープラグ。

 

ドレンプラグを緩めて外します。

 

真っ黒なATFが排出されてきます。

 

いつものようにサンプルを採取しておきます。

 

オイルの排出が終わったらオイルパンを取り外します。

 

ストレーナーも取り外します。

 

ストレーナーを外すと、バルブボディからもATFが噴出されてきます。

 

ストレーナーとオイルパンが外れました。

 

 

 

 

 

 

オイルパンの底を軽く擦ると・・・

 

ペーパーウエスが真っ黒になってしまいました。

 

ガスケットは熱オイルパンに溶着してしまっています。

 

こうなると剥がすのが大変です。

オイルパンの両サイドにマフラーが配置されているので、その影響も大きいようです。

 

オイルパンを丁寧に洗浄します。

 

溶着したガスケットも丁寧に削り落とします。

 

 

オイルパンの洗浄完了です。

洗浄が終わると、新品のように光り輝くオイルパンに再生されます。

 

 

新品のガスケット

 

近寄ってみると3重になっているのがわかります。

 

溶着して剥がすのが大変でしたが、取り付けはスムーズにできました。

 

 

次はストレーナーを交換します。

ストレーナー新旧比較

 

使用後

 

吸い込み口は赤黒くなっています。

 

新品はきれいなクリーム色でした。

 

裏返してバルブボディ吸い込み口のオーリングも新品に交換します。

 

トルクレンチを使用して、メーカー規定値で正確に締付します。

 

オイルパンも取付け。

もちろんトルクレンチ使用です。

 

ガスケットを交換してドレンプラグも締付完了!

 

オイルパン洗浄とストレーナー交換終了です。

 

トルコン太郎を接続します。

 

オイルパン作業の前にATFを排出していますので同量+αを補充します。

この補充を「初期補充」といいます。

 

初期補充にはスタンダードATF「アイシンAFW+」を使用します。

 

ボトルの黒いオイルは、作業前にオイルパンから排出したATFです。

 

初期補充を終えたら、エンジンを始動します。

 

エンジンを始動すると、トルコン太郎に設置された3つのモニターのうち、真ん中にマジェスタのAT内部を流れているATFが流れ込んできます。

 

 

左のモニターは先ほどの初期補充をした新油です。

 

右のモニターは5.5リットル交換後のATFです。

 

5.5リットル交換しましたがこの状態です。

 

透明度はなく、中のフィルターが全く見えません。

 

排出油と比較しても、ほぼ変わりません。

オイルパン洗浄とストレーナー交換を実施していますが5.5リットル交換ではご覧の通りです。

 

単なるドレンアウト交換はもっと条件が悪くなります。

 

カー用品店やディーラーなどで行っているドレンアウト方式でのATF交換は2万円以内で施工できるようですが、上の画像から想像すると、その効果は疑問に思えてきます。

 

オートサプライ鈴木では、中途半端なATF交換は推奨しておりません。

徹底的にきれいになるまで交換をおすすめしています。

 

ATFをいきなり交換すると内部の汚れが解けて悪さをすると心配されるかもしれませんが、それは内部の汚れを残した状態でお車をお返ししてしまうからです。

 

トルコン太郎を使用して、完璧な洗浄を行い、可能な限りAT内部の汚れを落としてしまえばその心配はなくなります。

 

今回の作業をご依頼いただいたオーナー様からもAT内部がきれいになるまで洗浄をお任せいただきました。

 

AT内部の洗浄を目的とした1回目の圧送交換から開始します。

この交換を「プレ洗浄」といいます。

 

AT内部の汚れを洗浄して最終交換に備えるために実施します。

 

それでは圧送交換スタート!

1回目の圧送交換が終了しました。

 

ATFは全量の約1.2倍量使用です。

 

新油と比較すると少し黒いですが、きれいになりました。

 

排出油を比較すると全く異なります。

 

圧送交換が終わると、自動でクリーニングモードに移行します。

 

車のATミッションとトルコン太郎の間をATFが常に循環し続けます。

 

万一、AT内部から異物がゴミや出てきた場合は、トルコン太郎のモニター内部のフィルターがキャッチして車に戻さない構造になっています。

 

クリーニングモードで新油がAT内部の汚れを溶かして洗浄しています。

 

トルコン太郎のフィルターが汚れをろ過してATFがきれいになっていくと思われている方もいらっしゃいますが、それは間違いです。

 

AT内部がきれいになるとATFが汚れます。

トルコン太郎のフィルター異物を取り除くだけでATFはきれいにはなりません。

 

AT内部の汚れが著しいと1回の洗浄では汚れを落としきることができず、2回洗浄する場合もあります。

 

今回は1回の洗浄できれいになりました。

AT内部がきれいになったところで、洗浄により汚れてしまったATFと新しいATFを入れ替えします。

これが最終交換になります。

 

最終交換に使用するATFが最終的に車のAT内部で働くATFになります。

今回は、先ほどご紹介したパワクラスターATFビレンザPRO・オートサプライ鈴木オリジナルで交換します。

 

 

ATFをトルコン太郎にセットして最終交換となる2回目の圧送交換スタート!

 

 

13リットル使用して2回目の圧送交換が終了しました。

 

マジェスタのAT内部を流れるATFがトルコン太郎の真ん中のモニターに流れ込んできます。

 

左側モニターの新油と比較しても遜色ありません。

 

 

廃油との比較。

 

モニター接写するとフィルターがくっきり見えます。

 

この後、フルードレベル調整用にATFを1.0リットル補充します。

 

ATFの圧送交換が終わりましたが、ATF交換は完成ではありません。

作業は続きます。

 

ATF圧送交換終了時のATF温度は80.6℃。

アイドリングで回し続けただけですがここまで上昇してしまいます。

 

この状態ではATFの量調整(フルードレベル調整)ができませんので強制冷却に入ります。

 

スポットクーラーを2台フル稼働して要所を冷却します。

 

その間にデフオイルの交換を実施します。

 

見落としがちなデフオイル。

メーカーではATFと同様、交換不要としていることが多くなりました。

 

しかし、それは「交換をしないでも壊れず走ります」という意味であり、オイルが劣化しないという意味ではありません。

 

劣化しないオイルはありません。

劣化したオイルは機械の調子を維持できません。

 

現状で不具合がなくてもコンディション維持のため交換をおすすめしております。

 

それでは作業開始します。

 

今回ご入庫いただいたマジェスタの下回りは大変きれいな状態です。

 

こちらがデフになります。

オイル漏れや損傷は全くありません。

 

フィラープラグを緩めてからドレンプラグを外します。

 

排出されたオイルは見た目きれいですが・・・

 

ドレンプラグのマグネットには鉄粉が大量に付着していました。

 

おそらくATF同様、デフオイルも新社から一度も交換がされていなかったのではないかと思われます。

 

ドレンプラグ、フィラープラグともにきれいに洗浄しました。

 丸いリングはワッシャーではありません。プラグからオイル漏れを防ぐためのガスケットです。

もちろん再使用は厳禁です。

手前のぺったんこにつぶれている方が使用後、奥の方が新品です。

 

オイルの排出が終わったら、新品ガスケットを挟んでドレンプラグを締め付けします。

ここもトルクレンチを使用しています。

 

デフオイルの補充です。

 

今回はワコーズのデフオイルを使用します。

 

化学合成油と鉱物油を使用した合成油になります。

メーカー純正デフオイルよりは高性能な位置づけの商品です。

 

 

ポンプを使ってオイルを圧送していきます。

 

フィラープラグからオイルが出てくれば補充完了です。

 

フィラープラグも新品ガスケットを挟んで締め付けします。

 

デフオイル交換はこれで終了です。

 

 

ATF交換の仕上げに入ります。

 

スポットクーラーを使用しての強制冷却の後に、温度ムラを取ります。

 

局部的に冷えているところと温かいところがあると正確なフルードレベル調整ができません。

 

AT油温検出モードに移行して、ATF温度を調整していきます。

 

規定温度になると、シフトインジケーターのDレンジランプが教えてくれます。

 

オーバーフロープラグを外します。

 

きれいなATFが出てきました。

 

サンプルを採取します。

 

糸状になるまでオーバーフローしてフルードレベル調整の完了です。

 

新品ガスケットを挟んでオーバーフロープラグを締め付けます。

ここもトルクレンチを使用します。

 

ATF交換作業が完成です。

 

しかし、作業はまだ続きます。

 

ATコントロールコンピューターの学習値を初期化します。

 

ATを制御しているコントロールコンピューターは、ATFの劣化度に対応した学習をしています。

交換前の「真っ黒・劣化したATF」に対応した学習のままだと、交換後の新品高性能ATFへスムーズな対応ができません。

 

そのため、学習値をリセットをしてスムーズに学習が進むようにしておきます。

 

ATF交換後、1,000KM程度走行すると新しいATFに対応した学習が完了します。

また、ATFがATミッション各部となじんできますので交換直後よりも調子は上がります。

 

 

学習値リセットの後に故障コードを確認して、走行試運転へ行ってきます。

 

パワークラスターATFに交換した後の走行試運転は毎回楽しみです。

 

今回はどんな変化が現れるのか・・・・。

 

 

まずは低速走行からですが、発進時のクリープが強くなっている。

 

そして、低速時からアクセルと踏み込むと、V8 4.6リッターエンジンが生む出す強烈なトルクが無駄なく伝達されていきます。

 

「これはすごい!」と思わず叫んでしまいました。

 

 

中速域からの加速も強烈です。

 

ATF交換前は、アクセルを踏み込んでもエンジン回転数が上がるだけで加速感は鈍かったのですが、交換後は体がシートに押し付けられるほどになりました。

 

動力伝達力が明らかに改善されています。

 

変速も非常にスムーズです。

気持ちよく変速していきます。

 

加速力と変速のスムーズさ。

まるで新車です。

 

新車に乗っているような嬉しさを感じてピットへ戻ります。

 

 

最後に故障コードの確認をします。

 

問題ないことを確認してオーナー様へご返却となりました。

 

 

今回のATF交換で使用した「パワークラスターATFビレンザPRO・オートサプライ鈴木オリジナル」。

 

前回のブログで紹介したLS460に使用した同社のATFレーシングと遜色ない走りを見せてくれました。

 

パワークラスターさんのお話では、「自社の製品は絶対に妥協したくないので、この価格帯ではあり得ない材料を使ってしまいました」ということです。

 

オートサプライ鈴木だけで販売しているパワークラスターのエントリモデルですが、コストパフォーマンスに大変優れているATFです。

高性能ATFに興味がある方はぜひお試しください。

 

 

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