平成19年式 レクサスLS460 USF40
ATオイルパン洗浄とATF圧送交換のご依頼です。
埼玉県毛呂山町からご入庫いただきました。
走行距離は137,939KM。
先月、中古で購入されたばかりだそうです。
まずはATFのメンテナンスをしようとレクサスディーラに交換の相談したところ、やりたくなさそうな対応を受けたということです。
LS460のATF交換についてネットで情報収集しているときにオートサプライ鈴木を見つけていただました。
すぐにお電話いただきお問合せ、お見積り、ご予約、そして本日の入庫となりました。
それでは作業のご紹介に入りますが、いきなりATFを抜き取ったりはいたしません。
ますは走行試運転と外部診断機による故障コードのチェックをします。
走行試運転、故障コードともに問題なし。
ここからオイルパン分解洗浄・ストレーナー交換作業に入ります。
まずはリフトで車を持ち上げます。
エアサス車ですので、そのまま持ち上げると壊してしまいますので注意が必要です。
忘れずにエアサス制御をキャンセルしてから作業に入ります。
重たいLS460ですが、何とか上がりました。
画像中央の黒くて四角いものがATオイルパンです。
ドレンボルトを外して内部のATFを排出します。
新車からおそらく無交換であると推定されるATF。
走行距離にかかわらずディーラーはATF交換に関して消極的です。
廃油サンプルを少量採取します。
排出が終わったらオイルパンを外していきます。
オイルパンを傾けるとドレンプラグから抜けきらないATFが流れ出てきますので油断できません。
オイルパンを外すとAT内部とご対面です。
オイルフィルターの吸い込み口は真っ黒に汚れています。
ストレーナーの新旧比較。
」
新品のストレーナーを取り付けします。
トルクレンチを使って規定トルクで締め付けています。
次にオイルパンの洗浄。
AT内部の摩耗で発生する鉄粉を回収するためのマグネットです。
きれいになるまで掃除します。
マグネットを外した跡です。
こうやって拭くと・・・
これくらい汚れが堆積しています。
同時にガスケットの交換をします。
ゴム製のため、熱で溶けて張り付いている部分があり地味に時間がかかります。
やっと外すことができました。
新品ガスケットを装着します。
アップで見ると複雑な凸凹なのですね。
再生されたオイルパンとマグネット。
新品同様です。
オイルパンも規定トルクで締め付け。
オイルパン取り付けが済んだらATFを補充します。
この補充を初期補充といいます。
一番最初に排出したATFと同量を補充します。
エンジンアンダーカバー。
外します。
外したアンダーカバーです。
アンダーカバーを外す目的はこれ。
ラジエターに内蔵されたATFオイルクーラーへのホースにアクセスするためです。
オイルクーラーホースを切り離してトルコン太郎を割り込ませます。
ここから初期補充をします。
通常はフィラープラグから補充しますが、狭くて手が入らないためこちらから補充。
抜けた量より少し多めの4.5リットル補充。
補充にはアイシンAFWを使用します。
補充が終わりましたらエンジンをかけます。
すると、レクサスのAT内部を流れているATFの状態を確認することができます。
4.5リットルのATF交換をしていますがご覧の状態です。
こちらのLS460、ATF全量は9.9リットルですので半分近く交換していることになります。
しかし、半分交換ではATFは全くといっていいほどきれいになっていません。
1万円程度でATF交換ができるお店がありますが、全量の半分交換してお終いになっているのです。
オートサプライ鈴木は本格的なATF交換専門店ですのでここで終わりにしません。
左のボトルは最初に抜いた廃油。
右のモニターLS460のAT内部に流れているATF。
ここまでの作業がオイルパン分解洗浄・ストレーナー交換作業になります。
ここから先は圧送交換作業になります。
圧送交換にもいろいろな方法がありますが、オートサプライ鈴木では先のオイルパン作業・ストレーナー交換に合わせて圧送交換を2回実施するパターンが標準的作業になっております。
なぜ圧送交換を2回も実施するのか?なのですが、AT内部は直接手作業による洗浄ができません。
ではどうするかと言いますと、古いATFと新油を入れ替えしばらくアイドリングします。
すると、新油の洗浄力がAT内部の汚れを落としていきます。
時間の経過とともに新しかったATFも内部から出てきた汚れにより黒く汚れていきます。
ATFが汚れる=AT内部がきれいになる
と、いうことです。
次にAT内部の洗浄により汚れてしまったATFと新しいATFを入れ替えることでより完璧な交換が可能となります。
これが圧送交換を2回実施する理由です。
通常、1回目の圧送交換をプレ洗浄といい、比較的安価なATFを使って交換します。
2回目の交換が最終交換になり、最終的に走行に使用するATFになります。
オートサプライ鈴木では、交換に使用するATFもいろいろと選択可能になっております。
LS460のオーナー様が選択されたのは、プレ洗浄は定番のアイシンAFW、最終交換の2回目はこちらも定番になりましたワコーズ最高峰ATFプレミアムSです。
それでは、1回目の交換、プレ洗浄からご覧ください。
圧送交換1回目終了しました。
真っ黒だったATFがここまで戻りました。
ATF全量9.9リットルに対して、余裕をもって13リットル使って交換しました。
左のボトルは最初に抜いたATFです。差は歴然としています。
多めのATFで洗浄することで、ここまで透明度が戻りました。
次に、トルコン太郎内部のATFを入れ替えします。
こちらはトルコン太郎の裏側です。
左側のタンクに車から抜き取った廃ATFがためられています。
アイシンAFWからワコーズプレミアムSへ。
ワコーズの最高峰ATF。
耐熱性、耐久性、潤滑性にすぐれた高性能ATFです。
アイシンAFWによりAT内部の洗浄が終わりましたので2回目の圧送交換を開始します。
これで最終交換となります。
2回目の交換が終わりました。
11リットル使用して交換しました。
いかがでしょうか。
廃油と比べるまでもなく、
新油同等の透明度です。
新油との比較。
圧送交換はここで終わりです。
ここから先は、今回の作業の最難関フルードレベル調整です。
とは言いましたが、何度もやっているので簡単にできてしまいます。
レクサス、トヨタ、日産、マツダ、その他メーカーでも大丈夫です。
ただし、国産車のみになりますが・・・。
モニターを見て現在のATF温度を確認します。
温度をメーカー規定値以下になるまで冷却します。
3月半ば、気温12℃。
スポットクーラーを使っても冷却に2時間かかりました・・・。
そして、ATF油温検出モードにて温度を調整。
オーバーフロープラグからオイルを排出してレベル調整終了です。
ご覧のとおりきれいなATFが流れでてきました。
フルードレベル調整が無事に終わりました。
次に最終の走行試運転と故障コードの確認です。
作業前の状態と比較しながら試運転します。
走り始めて、一瞬だけ不自然な変速感がありました。
真っ黒なATFが新油になってしまたのでATコントロールコンピューターがびっくりしたのでしょうか。
すぐに作業場へ戻りAT学習値を初期化します。
バッテリーを外しただけでは初期化できませんので外部診断機を使います。
初期化が済んで再度走行試運転へ。
変速感も問題ありません。
ATF交換前に比べると走りが大変スムーズになりました。
さらに、動力伝達性も向上。
すこし踏み込むとすぐに制限速度を超過してしまいます。
重量のあるお車にはワコーズの最高峰ATFプレミアムSが良く合います。
作業場へ戻り再度外部診断機を接続します。
故障コードの最終チェック。
故障コード、全て問題なし。
やっとお客様へお車のご返却になります。
オーナーのI様にも大変喜んでいただきました。
メーカーの見解では、レベルゲージのない車はATF交換不要となります。
10年10万KM走行しても故障しないからです。
しかし、「故障しない」と「調子が良い」はイコールではありません。
故障しなくても、劣化したATFにより調子は悪くなっていきます。
さらに最悪の場合、AT内部に損傷が起こってしまうこともあります。
劣化しないATFはありません。
レクサスのATメンテナンスとATF交換にお悩みの方はご相談ください。
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