平成30年式 マツダ CX-5 KF2P
ウインズマルチサーブとECremaxによるエンジン洗浄のご依頼です。
東京都内からご入庫いただきました。
現在の走行距離は123,061KM。
新車から4年経過ですから、年間3万KM走行とハイペースです。
初代CX-5のKE型は、ドライアイス洗浄機によるエンジン吸気系カーボン洗浄や、トルコン太郎によるATF圧送交換など、毎月数台のご入庫があります。
その後継モデルとなります2代目CX-5のKF型、まだ入庫台数は少ないですが、これから徐々に増えてくるのかと思われます。
ご存じの通り、マツダSKYACTIV-D2.2エンジンは、吸気系統にカーボンが堆積しやすい特性があります。
当店ではそれを除去するためドライアイス洗浄の施工をしておりますが、今回は非分解でケミカルを使用してエンジンを洗浄します。
ウインズマルチサーブによる洗浄風景
EC-T22クリーニングシステム ECremax による洗浄風景
事前チェック
エンジン洗浄を実施するにあたり、まずは事前チェックを行います。
エンジンの故障コードは問題ありません。
インジェクターの補正値も確認します。
DPFの圧力差も確認しておきます。
前回の再生から200KMほど走行している状態での値になります。
ウインズマルチサーブによるエンジン洗浄
ウインズマルチサーブは、これ一台で4つの洗浄機能を有します。
- 吸気系洗浄
- 燃料ライン洗浄(インジェクター洗浄)
- タービン洗浄
- DPF洗浄
それぞれ単品での洗浄も施工可能ですが、セットで施工した方がエンジンのバランスがトータルで良くなります。
ウインズマルチサーブ専用の洗浄液(中央のボトルは添加剤)
各工程で専用洗浄液が用意されていますので、そちらを使用して洗浄を実施します。
吸気系の洗浄
マツダSKYACTIV-D2.2エンジンは、パワフルで車を走らせるのが楽しいと感じることのできる素晴らしいエンジンだと思います。
その反面、使用環境によっては「吸気マニホールド」や「吸気ポート」にカーボンが非常に多く堆積しやすいという特性もあります。
ディーゼルエンジンの特性に合った使用環境であれば、心配無いレベルだとは思います。
しかし、チョイ乗りや、長時間のアイドリングなどの頻度が高い場合は、吸気系のカーボン堆積量が多い傾向にあります。
今回ご紹介するCX-5のオーナー様は、東京都23区内にお住まいですが、年間3万KMを走行されていますので、「都心でのチョイ乗りが多い」という使用環境ではないようです。
今回は、経過年数(比較的新しい)と、現在の走行距離から、普段の使用環境を予測して、吸気系のカーボン堆積量は問題が無いレベルであろうと判断し、マルチサーブによる吸気系洗浄をお受けしました。
入庫後、もし吸気系のカーボンが想定以上に堆積している場合は、物理的に取り除くドライアイス洗浄に切り替えることも視野に入れておきます。
エンジン非分解で洗浄するマルチサーブの吸気系洗浄は、カーボン堆積量が多すぎると対応できない場合もあります。
施工可否は、経過年数、現在の走行距離、普段の使用環境などを考慮して判断しております。
マルチサーブによる、燃料系洗浄やターボ洗浄、DPF洗浄は、吸気系のカーボン堆積に関係なく施工が可能です。
施工可否は、吸気系の洗浄のみになります。
前置きが長くなりましたが、マルチサーブを使用して吸気系カーボン除去作業を実施します。
車両をリフトアップします。
エンジン非分解とは言いますが、インテークホースの取り外しなど、最低限の分解が必要になります。
インテークホースを取り外し、内部のカーボン堆積量を確認します。
走行距離を考慮すると、他の同型式の車両よりもカーボンは少ないようです。
マルチサーブの噴霧器を吸気口へセットします。
マルチサーブ起動
マルチサーブ専用洗浄液「ディーゼル・エアインテーク・クリーナー」
マルチサーブへ注入します。
エンジンを始動し、洗浄を開始します。
少しずつ洗浄液をエンジン吸気口へ噴霧していきます。
洗浄作用により、カーボンが溶解してエンジン内部へと流れていきます。
そのため、一気に洗浄してカーボンを除去することはできません。
非常に時間を要する作業となります。
また、溶解したカーボンはエンジン内へ送られ燃焼するため、エンジン回転が不安定になることもあり、常に様子を確認しながら洗浄をしています。
1~2時間ほどで洗浄が終了します。
吸気口から確認すると、カーボンが溶かされているのが分かります。
物理的に取り除くドライアイス洗浄と異なり、カーボンは完全除去されません。
マルチサーブの吸気系洗浄は、すべてのカーボンが一気に除去される訳ではなく、溶解している状態で残ったカーボンは、今後の走行により少しずつエンジン内へ送られ除去されていきます。
燃料ライン洗浄(インジェクター洗浄)
吸気系洗浄の次は、燃料ラインの洗浄になります。
燃料ラインの洗浄といえば、燃料タンクから注入する添加剤がお手軽ですが、マルチサーブの燃料ライン洗浄は洗浄力が圧倒的に異なります。
マルチサーブ燃料ライン洗浄は、インジェクター、燃料コモンレール、サプライポンプ、燃料パイプなどの汚れや堆積物を除去することが可能です。
特に、インジェクターの正常な噴射を妨げる要因を取り除くことによって、本来の燃焼効率を取り戻し、エンジンの振動低減や燃費改善の他に、煤の発生量低減によりDPF再生間隔の改善というメリットも得られます。
燃料ライン洗浄には「ディーゼル・システム・パージ」を使用します。
スタートボタンを押してエンジンを始動して洗浄を開始します。
洗浄中は、車両の燃料ランクからのラインを切り離し、マルチサーブから洗浄液を送ります。
洗浄液には燃料が含まれているため、エンジンを回しながら洗浄をすることが可能です。
マルチサーブから燃料ラインへ送られた洗浄液の余剰分は、リターンラインからマルチサーブのタンク内へと戻ってきます。
燃料ラインの汚れが落とされ、透明だった洗浄液は茶色くなります。
全ての洗浄液が無くなったら洗浄終了です。
タービン洗浄
燃料ラインの次は、タービン(ターボチャージャーのエキゾースト側)洗浄です。
タービンだけでなく、酸化触媒の洗浄も可能です。
この洗浄により、エンジン出力とスロットル応答の改善を得られます。
マルチサーブによるタービン洗浄は、前の工程の燃料ライン洗浄と同一の接続方法を使用します。
そのため、燃料ライン洗浄終了後は、接続方法を変えることなくタービン洗浄に入ります。
タービン洗浄には専用洗浄液「ディーゼル・ターボ・サーブ」を使用します。
前出のディーゼル・システム・パージは無色でしたが、こちらの洗浄液は薄茶色です。
スタートボタンを押して、燃料ライン洗浄と同じ要領で洗浄を行っています。
洗浄が終わりましたら、マルチサーブを切り離し、車両の燃料ラインを復元して作業完了です。
DPF洗浄
マルチサーブを使用したディーゼルエンジンのシステム洗浄は、DPF洗浄が最終工程となります。
マルチサーブ専用DPF洗浄液、「DPFクリーナー&フラッシュ」を使用します。
DPFクリーナーは、DPF内部のPM堆積物やオイルの燃え残り灰分であるアッシュなどを強力に溶解洗浄します。
DPFフラッシュは、クリーナーによる洗浄後に使用してDPF内部の汚れや煤を取り除きます。
マルチサーブDPFクリーナ&フラッシュは、環境にやさしい生分解性の洗浄液です。
DPF洗浄は、DPF上流側の配管からホースを切り離し、マルチサーブを接続します。
DPF洗浄の際は、洗浄効果を高めるため、ウインズ添加剤「DPF・レジェネレーター」を燃料タンクに注入します。
同じタイミングで、燃料ライン洗浄の仕上げ添加剤「ディーゼル・エクストリーム・クリーナー」も注入しておきます。
※DPF洗浄のみのご依頼の場合は、こちらの添加剤は付属いたしません。
DPFクリーナーをマルチサーブへ注入します。
準備が完了したら洗浄スタートです。
DPFクリーナーをDPFに充填、クリーニングタイムを経て、エンジンを始動して洗浄液とともにDPF内部の堆積物を排出します。
洗浄液と堆積物は、泡状となりマフラー出口から排出されてきます。
しっかりと排出をした後は、すすぎ工程となります。
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DPFフラッシュをマルチサーブへ注入します。
エンジン回転を上げ、DPF内部の洗浄液、汚れを除去していきます。
泡が消えると、排出されてきた洗浄液はこんなに真っ黒な液体になりました。
洗浄後は、マフラーから白煙が出なくなるまで走行し、仕上げにDPF強制再生を実施します。
マルチサーブを使用したエンジン洗浄が終わりました。
吸気・排気系、燃料系とトータルでシステム洗浄を行うことで、使用過程によりエンジン各部に堆積した汚れを除去し、エンジン出力向上や振動の低減を得られます。
次は、エンジン内部洗浄「ECremax」の施工をご紹介します。
ブログ作成中につき、公開まで今しばらくお待ちください。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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