今回ご紹介するお車は、こちらの日産NV350キャラバンです。
平成27年式 VW2E26 2.5リッター・ディーゼルターボになります。
現在の走行距離は、171,960KM。
3年程前に、オートサプライ鈴木から中古車でご購入いただきました。
オートオークションからの仕入れで、納車時の走行距離は82,100KMでした。
なんと、2年9か月で89,860kM走行されています。
月に換算すると3,000KM!
鉱物油ベースの安価なエンジンオイルでは毎月オイル交換になってしまいますので、ロングライフなエンジンオイル、パワークラスタービレンザ5W-50ディーゼルを使用していただいております。
このオイルであれば、鉱物油ベースの2倍以上ロングライフになります。
毎月3,000KM走行というのは、かなりのハイペースですが、こちらの車両のオーナー様は、関東一円に存在する取引先へ訪問して設備のメンテナンスをするお仕事をされています。
そのため、移動の多くは高速道路ということです。
普段から長距離・高速走行が多いため、エンジンは絶好調です。
※クリーンディーゼルは、「街乗り」や「ちょい乗り」よりも「長距離・高速走行」の方がエンジンに適しています。
吸気系のカーボン詰まりもありませんし、DPFの詰まりもありません。
しかも、エンジンオイルの他、ATFもパワークラスタ―のハイエンドオイルATFレーシングにてメンテナンス済みです。
使用環境、使用しているエンジンオイル、ATFの効果により、同程度の経過年数・走行距離の同型キャラバンと比較して、エンジン・ミッションは絶好調な状態です。
そうであれば、これ以上のメンテナンスは不要であるかもしれません・・・
そして、オートサプライ鈴木でご提供できる従来のサービスはここまでが限界でした。
しかし、更なるサービス向上のため、この度、新たな整備機器を導入いたしました。
新しい整備機器は、表題にもあります通り wynn's マルチサーブ となります。
北関東の自動車整備工場さんがディーゼル車の洗浄整備で使用されているブログを見てから、ずーっと探しておりました。
ネット上でも、情報がなぜか極端に少ない・・・。
数か月間の時間を経て、ようやく輸入販売元の公洋商事様を見つけ無事に導入となりました。
当マシーンは、クリーンディーゼルの本場、ヨーロッパ生まれのエンジン洗浄機です。
※ガソリンエンジンのインテークおよび燃料ライン洗浄メンテナンスも可能です。
機能は以下の4つ。
1.吸気ライン洗浄メンテナンス
2.燃料ライン洗浄メンテナンス
3.タービン洗浄メンテナンス
4.DPF洗浄メンテナンス
そして、こちらのマシーンにて使用するケミカルは、すべて専用品となります。
※ケミカルだけの販売は対応しておりません。
早速、こちらのマシーンを使用して、キャラバンの洗浄メンテナンスを実施いたします。
吸気ライン洗浄メンテナンス
吸気ラインの洗浄はなぜ必要?
クリーンディーゼルの場合は、排気ガス再循環システムにより、排気ガスを吸気系に再循環・導入します。
そして、排気ガス中に含まれる煤、カーボンが、オイルミストを含んだフレッシュエアーと混合するとカーボンが付着・堆積してしまいます。
カーボンが堆積すると、吸入空気の流れを阻害したり、スロットルボディやEGRバルブの作動不良を起こします。
そのため、定期的な洗浄をすることで、エンジンが正常に作動をすることができるようになります。
今回は、目立った作動不良は見受けられませんでしたが、メンテナンスの一環としての施工となります。
洗浄前のスロットルバルブ
マルチサーブをセットします。
洗浄液は専用品の「エアーインテーククリーナー」を使用します。
噴霧器をストッロルへ向けて洗浄開始です。
洗浄前はこんなに汚れていました。
洗浄後のスロットルバルブはきれいになりました。
マルチサーブインテークライン洗浄メンテナンスを行うことで、マニホールドやEGRバルブに残留したカーボンは、専用洗浄液の「エアーインテーククリーナー」によって柔らかくなっていますので、今後の走行により少しずつ落ちていきます。
堆積したカーボンが、一度に除去できないような場合は、最初の施工から3,000KM程度走行後にもう一回施工します。
※マルチサーブのインテークライン洗浄メンテナンスは、ドライアイス洗浄のように全てのカーボンを一気に除去するものではなく、噴霧したケミカルによってカーボンを少しずつ溶かして燃焼室へ送り込み洗浄をしていくタイプとなります。
したがって、マツダ車のクリーンディーゼルように、インテークに大量のカーボンが堆積しているような場合は不向きとなります。
燃料ラインメンテナンス
燃料ラインの洗浄は何故必要?
燃料を高圧高温で噴射しているインジェクターは、走行により内部に不純物が発生し堆積していきます。
メンテナンスを行わずに走行し続けると、最終的に不純物の堆積が原因で、インジェクターの動作不良や噴霧異常を起こします。
軽度のものであれば、燃料タンクから注入する洗浄作用のある添加剤を使用することで症状が改善する場合がありますが、中程度以上のエンジン不調になると、添加剤では改善ができず、一般的にインジェクター交換になります。
そして、インジェクターは不良箇所だけでなく、通常は全気筒数セット交換になります。
修理代も高額となり、数十万円となります。
そこで、wynn'sマルチサーブの出番です。
重度のエンジン不調を起こすほどのインジェクター作動不良となると、インジェクター交換を避けられないケースもありますが、wynn'sマルチサーブの燃料ライン洗浄は、その圧倒的な洗浄作用により、インジェクターの作動を正常な状態へと戻していきます。
実は、この燃料ライン洗浄は、DPFの再生間隔が短くなってしまっている場合も効果が見込めます。
インジェクターの作動不良とDPFの再生間隔がどう関係するのか?
エンジン不調を引き起こすことは無いレベルであっても、インジェクターの作動不良が原因で燃料の燃焼効率が悪くなり、煤の発生が増えてDPFの再生間隔が短くなることがあります。
インジェクターの作動が正常に戻ることにより、燃料の燃焼効率が改善して煤の発生が減少しDPFの再生間隔が正常な状態へと戻ります。
走行距離が15万KM以上の場合や、DPFの詰まりがある場合は、この燃料ライン洗浄と、更にこの後ご紹介するDPF洗浄のセット施工をおすすめしております。
それでは、燃料ライン洗浄メンテナンスの様子です。
マルチサーブをセットします。
洗浄液は専用品の「ディーゼルシステムパージ」を使用します。
こちらの専用洗浄液は、強力な洗浄作用により、インジェクターだけでなく、フューエルポンプやフューエルレール、フューエルチューブなど、燃料ラインの洗浄が可能です。
洗浄を開始すると燃料ラインのリターン側から茶色く汚れた洗浄液が流れてきます。
カーボンのような固形物も見受けられました。
燃料ラインは、想像以上に汚れているのがわかります。
洗浄すれば、調子が良くなるのは容易に想像できます。
タービン洗浄メンテナンス
燃料ライン洗浄メンテナンスに続いて、タービン洗浄メンテナンスです。
タービン洗浄って何だ?
聞いたことがない・・・。
初めて聞いた時は、吸気ラインから吸い込ませて洗浄するのか思いましたが違いました。
なんと、燃料ライン洗浄メンテナンスと同様のラインを使用して、タービンを洗浄します。
インジェクターから噴射された専用洗浄液は、洗浄作用のあるガスを発生し、タービンに堆積したカーボンを除去します。
タービンだけでなく、酸化触媒やEGRバルブまでも洗浄効果をもたらします。
タービン洗浄もwynn'sマルチサーブを使用します。
洗浄液は専用品の「ディーゼルターボサーブ」を使用します。
洗浄後は、エンジンパワーとスロットルレスポンスが復活します。
タービン洗浄メンテナンスは全てのディーゼルターボ車に施工可能です。
DPF洗浄メンテナンス
マルチサーブを使用した、クリーンディーゼルエンジン洗浄ですが、最後はDPF洗浄メンテナンスです。
DPF内に煤が堆積すると、内部で詰まりが起こりエラーがでてエンジン警告灯が点くことがあります。
強制再生でも、回復しない場合は新品に交換となります。
オートサプライ鈴木では、マツダSKYACTIV-D2.2 エンジンのDPF洗浄を行っておりますが、メンテナンスの範囲であれば、マルチサーブのDPF洗浄で充分な効果が得られます。
DPFの再生間隔が短くなっている症状は、燃料系に不具合がある場合とDPFが詰まっている場合と主に2通りの原因が考えられます。
どちらか一方、または両方の不具合ということもあります。
燃料系不具合であれば、先にご紹介した燃料ライン洗浄メンテナンスとタービン洗浄メンテナンスで回復する場合もあります。
DPF内部の詰まりの場合は、ご紹介するDPF洗浄により、堆積物を除去することが可能です。
今回の施工で最後の登場になりますマルチサーブです。
洗浄液は専用品の「DPFクリーナー」と「DPFフラッシュ」を使用します。
マルチサーブの専用洗浄液は、どれもパッケージが似ていて分かりずらくてスミマセン・・・・。
それぞれの洗浄液の容量は1.0リットル。
余裕の容量と圧倒的な洗浄力で、DPFを強力に洗浄します。
こちらのキャラバンは、普段から長距離・高速走行が多いため、DPFは良好な状態だったようで、マフラーかれら出てくる洗浄液は比較的きれいな状態でした。
洗浄液をしっかりと排出し、内部を充分に乾燥させて今回の作業は終了となります。
そして、施工後の試運転です。
・・・絶好調です。
施工前から絶好調でしたので当たり前ですが・・・。
しかし、本当に絶好調です。
施工前も絶好調だったため、施工前後の差が正直わからなくなってしまいました。
この絶好調は、最初からか?
施行したからなのか?
どちらにしても、絶好調ですので、あとはオーナー様のご感想に期待するとします。
後日、オーナー様からLINEにてレビューをいただきました。
原文のままご紹介します。
以上がオーナー様からLINEにていただいたご感想でした。
施工後の走行試運転で絶好調だったのは、マルチサーブの施工効果だったようです。
おまけ
wynn's Airmatic3による「エアコンクリーン」と「オゾン+エアピュリファイア」による車内の除菌・消臭を行いました。
エアコンクリーン施行中
オゾン脱臭施行中
お仕事等で、長時間長距離移動されている車内は、何かと臭いが付いてしまうものです。
こちらのセットメニューにより、臭いの原因を除去し、車内は快適空間となります。
エンジン、車内ともに、快適になったお車で今後も長距離走行を応援しております!