トルコン太郎

【トルコン太郎】セレナハイブリッドHFC26 日産純正CVTオイルNS-3への圧送交換

埼玉県上尾市 トルコン太郎設置店 オートサプライ鈴木です。

今回のブログは、トルコン太郎を使用したCVTオイルの圧送交換の様子をご紹介します。

 

ご紹介するお車は 平成26年式 HFC26 セレナハイウェイスターSハイブリッドです。

トルコン太郎によるCVTオイル全量圧送交換とCVT洗浄・オイルパン洗浄・ストレーナー交換のご依頼です。

 

数あるトルコン太郎設置店の中から、オートサプライ鈴木をご指名いただきまして誠にありがとうございます。

 

車両情報

車名 セレナ メーカー 日産
型式 DAA-HFC26 グレード ハイウェイスターSハイブリッド
初度登録年月 平成26年12月 入庫時走行距離 82,573km

 

入庫時の走行距離は82,573km。

 

今回ご紹介するセレナですが、CVTから振動(ジャダー)が出るようになってしまったため、最初はディーラーに相談されたそうです。

 

ところが、ディーラーでの診断結果は、故障コードが検出されないため異常なし。

 

ディーラーは頼りにならないということで、オーナー様ご自身でネット検索して情報収集をしたそうです。

そこでヒットしたお店にCVTオイル交換を依頼することになりました。

 

車を数日預けて引取に行くと、残念なことに症状は直るどころか、更に悪化してしまったそうです。

 

施工したお店では、CVTオイル交換作業に関する説明などが一切なく、不審に思ったオーナー様はCVTオイル交換やトルコン太郎について改めてネットにて情報収集するなかで、オートサプライ鈴木の当サイトを見つけていただき、今回のご入庫となりました。

 

施工したお店へ相談していただくようお話しましたが、「もうあのお店は信用できないので行きたくない」ということで、当店でCVTオイル交換のやり直し作業をお引き受けすることになりました。

 

 

前回のCVTオイル交換の施工内容ですが、トルコン太郎による圧送交換とオイルパン分解洗浄やストレーナー交換の実施をしているようです。

 

次に使用したCVTオイルを確認します。

 

施工ラベルを見ると、HFC26セレナと相性の良くないオイルを使用しているようです。

 

そのオイルですが、当店でも扱いのある某有名メーカーのスタンダードグレードのものとなります。

そしてこのオイル、粘度設定が低粘度が主流の時代に反して少々硬い。

 

これは、ちょっと昔に主流だったオイル粘度にも対応すること目的としたオイルのため、決して悪いものではありませんが、現在主流の「低粘度オイルにも適合」となっていて矛盾を感じるオイルなのです。

 

こちらのオイル、当店では低粘度指定の車種にはおすすめをしておりません。

値段が手頃のため、お客様からご指名をいただくことがありますが、今回のセレナの様に適さないと判断した場合はお断わりすることもあります。

 

そして、更に粘度を上げてしまう添加剤が入っていました。

 

こちらの添加剤は、非常に高性能なものではありますが、低粘度指定車に使用する場合はベースオイルの選定に注意が必要です。

 

 

オーナー様が気にされている振動(ジャダー)を改善するには、どうしたら良いか?

 

CVTオイルの入れ替えは必須のようです。

オイルパン洗浄とストレーナー交換は、前回の作業が信頼のおけるものであれば問題ありませんが、オーナー様の希望でやり直し施工をすることになりました。

 

次のオイルの選定です。

 

相性の良い社外オイルにするか、純正に戻すかの選択。

 

社外CVTオイルであれば、低粘度対応の「ワコーズCVTFプレミアムS」が当店おすすめオイルとなります。

このオイルは、HFC26セレナへの施工実績も多数あり、振動(ジャダー)などの不具合は一切発生していませんので問題は無いかもしれませんが、低粘度対応とはいえ、純正に比較すると粘度は硬め。

万一、現状発生している振動・ジャダーが改善しなかった場合、高額な施工費用がまた無駄になってしまいます。

 

その他、低粘度対応の社外オイルの取扱いもありますが、今回の交換作業では手堅い方法をおすすめしました。

 

現在発生している振動(ジャダー)の原因はオイルの粘度が原因。

 

であれば、一度純正オイルに戻すのが正解。

これで直らなければ、オイルの問題ではなく、CVT本体の不具合となります。

 

でも、恐らくオイルが悪さをしている可能性が大と判断して日産純正CVTフルードNS-3へ戻すことに決まりました。

 

実は、当店では今回のような不具合を過去にも経験済みで、日産CVTフルードNS-3指定車に社外オイルを使用する場合は、オイル粘度に要注意であることを既に熟知しております。

 

社外オイルは、動力伝達性を上げるために現在主流となっているメーカー純正低粘度オイルよりも粘度が硬いことが多く、注意が必要になります。

 

それでは、作業に入ります。

 

まずは、いつものように事前チェックを行います。

 

走行試運転では、振動(ジャダー)の現象確認はできませんでしたが、何か走りが重い印象。

26セレナってこんなだったっけ?という感じです。

 

発進加速はモッサリしていて、加速が終わると振動を伴ってエンジン回転数が下がります。

これでは、運転するのも不快になりますね。

 

そして、外部診断機での故障コード確認。

CVTジャダーが記録されていました。

 

CVTオイルの劣化度データは40。

おそらく、前回のトルコン太郎施工時にリセットされていると思われます。

 

事前チェック完了のため作業に入ります。

 

車両をリフトで水平に持ち上げます。

 

アンダーカバーを外して、CVTオイルを排出します。

 

オイルパンからの抜取り油のサンプルを採取します。

赤いのは社外オイルだからです。

 

オイルパンを取り外します。

 

ストレーナーは、交換されていると思いますが、今回は全てやり直しをするため交換します。

 

ストレーナーを取り外し、バルブボディを洗浄します。

 

洗浄液をペーパーウエスで拭き取ります。

 

キレイに洗浄できました。

 

取り外したオイルパンとストレーナーです。

 

交換するストレーナーです。

 

新旧の比較
左:使用後
右:新品

 

吸い込み口を確認してみます。

交換して間もないため、異物は見当たりませんでした。

 

トルクレンチを使用して、新品のストレーナーをメーカー規定トルクで締め付けします。

 

オイルストレーナー取付完了

 

続いてオイルパン洗浄です。

 

オイルパンには、CVT内部で発生する鉄粉を回収するためのマグネットが装着されています。

 

鉄粉付着量を確認するため、鉄粉を指で一部除去します。

 

鉄粉付着量はこの程度でした。

 

マグネットを外して、オイルパン底部を拭き取ります。

 

前回の洗浄から間もないため、汚れ具合はこの程度でした。

 

当店では、オイルパン洗浄にあわせてマグネットは新品交換します。

 

洗浄後のオイルパンの様子です。

 

取り付けした後は、見えなくなる部分ではありますが、手を抜くことなく新品同様になるまで洗浄します。

 

ガスケットは当たり前ですが、オイルパン取り付けボルトも新品に交換します。

 

ここで、オイルパン取り付け時にトラブル発生です。

 

オイルパンボルトが締まらない。

3箇所、ネジがゆるて締まりません。

 

取り外し時は違和感が無かったのになぜ???

 

 

外したオイルパンボルトを確認すると、

 

あれ?純正ではないボルトが3本あります。

 

作業前の写真を確認すると、

違うボルトが付いているではありませんか。

 

取り外し時は電動ツールを使用していたため全く気が付きませんでした。

 

内部のネジ山が完全に破損していました。

 

それで、長さの長いボルトが付いていたのだと納得・・・。

 

前回施工したお店での失敗なのか?その前からこの状態なのか?不明です。

前回の完成引取り時には、お店からの説明や報告は一切無かったということです。

 

新品で用意した純正ボルトでは締まらないため、この3か所は作業前に付いていたボルトを使用して取り付けをしました。

 

トルクレンチを使用して、オイルパンボルトをメーカー規定値で締付します。

 

ドレンプラグとガスケットも新品交換です。

 

トルクレンチで締め付けして

 

完成です。

 

いよいよトルコン太郎を接続して初期補充、圧送交換です。

 

トルコン太郎を接続します。

 

施工実績1,000台のノウハウがありますので、最適な箇所、方法で接続します。

 

まずは、初期補充です。

 

冒頭でご説明した通り、今回は不具合ジャダーを解消させることが目的になりますので、日産純正CVTフルードNS-3を使用します。

 

オイルパンから抜けた量+αの新油を充填します。

画像は、抜取り油と新油の比較です。

 

初期補充の後、エンジンを始動すると、CVTオイルがトルコン太郎のクリーナーモニターへ流れてきます。

 

5リットルほど交換後の様子です。

まだまだ赤いです。

 

CVT内部の洗浄を目的とした1回目の圧送交換を開始します。

1回目の圧送交換が完了しました。

赤味は抜けましたが、まだ残留分がありますので黒味を帯びています。

 

抜取り油との比較。

透明度は、抜き取り油と変わりない感じですね。

 

新油の洗浄作用を使って30分間のクリーニングを行います。

 

次の2回目の交換が最終の仕上げ交換になります。

 

ここで、2回目の圧送交換に備え、トルコン太郎のオイルが不足するので新品ペール缶と入れ替えします。

 

 

30分のクリーニングを終えるとオイルは更に黒味を増しました。

CVT内部の汚れが落ちてきたからです。

 

それではクリーニングを終え、最終交換スタートです。

2回目の圧送交換が終了しました。

 

交換前の赤味は完全に消え、キレイにNS-3と入れ替わりました。

 

HFC26セレナのCVTには、ミッションケースにフィルターが装着されていますので、そちらも交換します。

 

新旧比較をすると、こちらも前回のお店にて交換されているかもしれません。

しかし、今回は全てやり直しをしますので交換します。

 

全ての作業が完了したら、強制冷却です。

 

 

なぜ、冷やすのか?

それは、CVTオイルは温度によって体積が変わるからです。

 

正確なフルードレベル調整を実施するためには、メーカーの指定する温度の時に、指定する量に調整する必要があります。

 

温度の確認には、外部診断機を使用します。

 

ある程度まで温度が下がったら、エンジン始動してエア抜き、そして規定温度まで上昇するのを待ちます。

 

規定温度でオーバーフロー、サンプルを採取します。

 

メーカーの規定温度は、通常5~10℃くらいの幅があります。

その間で調整すれば良いということですが、当店では、より正確なフルードレベル調整を実施するために、ある温度をピンポイントで狙って調整しています。

 

ピンポイントで温度を合わせたら、オーバーフロープラグとガスケットを交換して作業完了です。

 

 

今回も、完璧なフルードレベル調整ができました。

 

 

CVTオイル交換後は、劣化度データーの初期化も忘れずに行います。

 

CVTオイル交換、ビフォアー・アフター

 

ATF交換完了後は、走行試運転です。

 

まず、走り出しが全然異なります。

 

車が軽い!

 

オイルの交換(オイルパン洗浄やストレーナー交換もしましたが・・・)だけで、ここまで変わるのかと、作業者も驚きです。

 

 

 

 

 

 

今回のブログは、他店でトルコン太郎を施工した際に、オイルの選択が原因で不具合が出てしまったHFC26セレナのご紹介でした。

 

オイルパン洗浄やストレーナー交換まで、すべてやり直しさせていただきました。

 

トルコン太郎施工の際は、オイル選びとお店選びは重要です。

 

当店では、約1,000台のトルコン太郎による圧送交換の実績があるだけでなく、ATF/CVTオイルの知識や取扱種類も豊富にございます。

 

トルコン太郎施工の際は、お気軽にお問い合わせ、ご依頼ください。

 

最後までご覧いただきありがとうございました。

 

 

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