平成25年式 マツダアテンザ GJ2FW
東京都練馬区からご入庫いただきました。
新車購入後、定期的にディーラーにて点検整備を実施しているそうです。
今回は、ディーラーでは対応していないリフレッシュ整備を希望され、オートサプライ鈴木へご入庫いただきました。
現在の走行距離は73,075KM
今回の作業でまとめてリフレッシュする箇所は以下の通りです。
- ドライアイス洗浄による吸気系に堆積する煤(カーボン)の除去
- ATオイルパン・ストレーナー交換・内部洗浄・ATF全量圧送交換
- 前後ブレーキディスクローターの研磨
- エアコンガスクリーニング・リフレッシュ
作業内容が多いので、作業ブログ3回に分けてご紹介しています。
パート1 ドライアイ洗浄はこちら
今回は、アテンザGJ2FWまとめてリフレッシュ整備パート2になります。
ATオイルパン・ストレーナー交換、トルコン太郎によるAT内部洗浄・ワコーズATFへの全量圧送交換をご紹介します。
ATF交換・オイルパン・ストレーナ交換
ドライアイス洗浄機によるエンジン吸気系カーボン除去のお次はATメンテナンスのフルコースです。
ドライアイス洗浄作業の付随作業でバンパーは外されていますが、このままATF交換をしていきます。
向かって右のオイルパンがATです。
こちらを分解して作業していきます。
作業前にATFの量と汚れを確認します。
新車の時に充填されているマツダ純正ATF-FZ。
本来はきれいな青色をしておりますが、ご覧のように茶色になってしまっています。
トルクのあるディーゼルエンジン車はATFに負担がかかり、ガソリンエンジン車に比較して劣化が早いようです。
オイルパン・ドレンプラグからATFを抜き取ります。
エンジンオイルのように見えますがATFです。
サンプルを採取しておきます。
劣化しないオイルはありません。
メーカーやディーラーがATFは交換不要といっておりますが、これを見て信じるか信じないかはオーナー様の判断におまかせするしかありません。
ATFを排出したら、オイルパンを外します。
外したオイルパンです。
オイルパンにはAT内部の摩耗で発生する鉄粉回収用のマグネットが装着されています。
これがマグネットです。
もとの形がわからない形状になっています。
ディーゼル車の場合は、ガソリン車と比較して鉄粉が多めに付着しています。
すべて鉄粉です。
きれいになるまで徹底的に洗浄します。
もとの形になりました。
新品同様に再生。
外したオイルパンの底を確認します。
黒いオイルパンの底はスラッジの堆積具合がよく見えません。
白いペーパーウエスで軽くこすってみると・・・。
このような感じで真っ黒になります。
ご覧いただいた通り、オイルパンやマグネットのスラッジ除去・メンテナンスを省いて、ATFだけを交換するとATを痛めてしまうのもよくわかります。
つづいて、オイルストレーナーです。
ストレーナーとはフィルターのことです。
エンジンオイルのフィルターは定期的に交換をしますが、ATフィルターの定期交換は一般的ではありません。
5万KMを超えてATF交換を実施する場合は、ATフィルターの交換もおすすめしております。
10万KM前後、またはそれ以上走行しているお車でも、オイルパンやマグネットの洗浄・スラッジ除去とフィルター交換により、ATF交換後の故障トラブルを防いで安全にATF交換を行うことができます。
こちらのアテンザは走行73,075KMですが、ご覧の状態です。
劣化したATFの汚れがこびりついています。
AT内部で発生する異物などをろ過してATの損傷を防いでいます。
新品のストレーナーを取り付けします。
ATのオイルパンも洗浄ではなく、新品交換します。
マツダの場合は、他メーカーと比較してオイルパンの値段が半値かそれ以下なのです。
費用対効果を考慮すると交換がベスト。
見ていて気持ち良くなります。
液状パッキンを塗布してAT本体へ取付します。
メーカー規定トルクで締め付けしています。
これで、オイルパンのメンテナンスは終了です。
いよいよトルコン太郎を使用してATF交換ですが、圧送交換に入る前にATFの初期補充が必要です。
ATオイルパンを取り外すために、ドレンプラグから排出したATFと同量+αを補充します。
今回の作業では4.5リットルのATFを補充します。
初期補充とこの後に行うAT内部洗浄であるプレ洗浄に使用するATFはアイシン製AFW+です。
左のボトルは作業前にアテンザから抜き取ったATFです。
右のモニターは補充する新油です。
4.5リットルの補充が終わりました。
新しいATF4.5リットルとAT内部の残っていたATFが混ざり合って車からトルコン太郎のモニターへ流れ込んできます。
作業前のボトルと比較して、微かにきれになっているようですが、ほぼ同じレベル。
オイルパンから4.5リットル抜いて交換してもこの程度しかきれいになりません。
ATF交換は数千円でもできますが、実はこの状態なのです。
オートサプライ鈴木は、AT内部洗浄を行い徹底的にきれいにしていきます。
まずは、AT内供洗浄を目的としてATF全量の1.2倍量を圧送交換します。
9.6リットルの交換が終了しました。
初期補充の4.5と9.6リットルの合計14.1リットル使用してやっとここまできれいになりました。
作業前のボトルと比較すると、新油同然にも見えます。
手前の新油モニター比較しても遜色ありません。
このきれいなATFが、AT内部の手の届かい箇所の汚れを溶かしてきれいにしていきます。
交換が終わると自動でクリーニングモードへ移行します。
クリーニングモード中は新油と廃油の動きはありません。
その間にトルコン太郎内部の新油を、洗浄に使用したATFから本命のワコーズATFプレミアムSへ入れ替えます。
ワコーズ最高峰ATFだけにすばらしい性能です。
価格は高いですが、エンジンオイルのように何度も交換するものではありません。
一度の投資でベストコンディションを長く維持できるのですから、むしろコストパフォーマンスは最高だと思います。
滑らかな変速フィーリングと高い動力伝達性を両立した、高性能プレミアムATFです。
100%化学合成とすることで、優れた耐熱性および酸化安定性を長期間安定して維持します。
お使いいただけるとわかります。
すばらしいATFです。
クリーニングモードも終わりましたので、いよいよ最終交換。
ワコーズ最高峰ATFプレミアムSへと全量圧送交換いたします。
2回目の本命ATFも9.6リットルで交換します。
きれいに交換できました。
今日からは、長期間安定して性能を発揮するワコーズATFプレミアムSがアテンザのATF内部で活躍します。
フィルターがきれいに光って見えますね。
アタッチメントを使用しての圧送交換ですので、オイルクーラーのオーリングは新品に交換します。
オイルクーラーを元通りに組み付けして、ATF量の調整です。
外部診断機を使用して、メーカーの規定する温度へ合わせて、ATF量を調整します。
レベルゲージのオーリングも、もちろん新品交換。
全ての作業を終えて、外部診断機による故障コードの確認をします。
ATF交換を終えて、走行試運転。
お客様のお車ですので、控えめなアクセル操作ですが、それでも加速時はフロントタイヤがグリップを失いかけてハンドルが暴れてしまいます。
先に行ったエンジン吸気系カーボン除去と今回のATF交換の相乗効果で、恐ろしいほど加速する車になりました。
新車の時はこうだったんだろうなぁ、という感触です。
もしかすると、ATFをグレードアップしましたので、新車以上になってしまったかもしれません・・・。
さて、お次はアテンザGJ2FWまとめてリフレッシュ整備パート3の最終回、
ローター研磨・エアコンガスクリーニングはこちら
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