ドライアイス洗浄

【ドライアイス洗浄】クラウンハイブリッドGWS204 走行距離10万KMの吸気系カーボン除去

平成20年式 クラウンハイブリッド GWS204

吸気系統のカーボン除去作業のご依頼です。

 

 

今回のお車は平成30年8月にATF交換でご入庫いただいており2度目の入庫となります。

 

ATF交換後も定期的にオートサプラ鈴木のWEBサイトをご覧いただいているとのことです。

 

昨年導入したドライアイス洗浄機に興味をいただきお問合せから今回の入庫となりました。

 

グリーンテック社製 ドライアイスパワー GT-110

 

走行距離は102,179KM

 

まずは試運転から始めます。

 

3,500ccのハイパワーエンジンにハイブリッドモーターが合わさりすさまじいいパワーで加速します。

 

 

エンジンの調子が良いのか悪いかよくわからない。

少なくても悪くない印象をもって作業場へ戻ります。

 

つぎに外部診断機での故障コードチェック。

故障コードなし。

 

次にライブデーターをチェックします。

 

 

 

排気ガスの濃度を測ります。

マフラーにプローブを差し込み排気ガスを吸引。

 

数値は問題なし。

 

今回作業させていただくこちらのエンジン。

トヨタD4-S 4GRエンジンです。

 

このエンジンは他のGR系直噴エンジンと異なり、燃焼室への直噴と吸気ポートへの噴射を併用しています。

吸気ポートから噴射された燃料がインテークバルブの洗浄をしますのでカーボンの堆積は少ないことが予想されます。

 

お客様からお問合せいただいた時点で、

「デュアル噴射ですので、インテークバルブのカーボン堆積は問題ないかもしれません」

と、お伝えしたのですがお客様の熱意に押され作業をお受けしました。

 

それではエンジンを分解していきます。

エンジン上部の黒いサージタンクを外します。

 

インテークマニホールドが出てきました。

 

他のGR系エンジンと異なり、4GRのインテークマニホールドには

スワールコントロールバルブが付いていませんが、燃料インジェクターが付いています。

 

燃料インジェクターを外しますので事前処理が必要です。

 

インマニを外しました。

 

ここからインテークバルブを覗くことができます。

 

 

デュアル噴射ではない普通の直噴GRエンジンに比較するとカーボンは少ないです。

 

それにしても、当初想像していた以上に少ない気が・・・。

※後から聞いたお話ですが、オーナー様が頻繁にワコーズの燃料添加剤「フューエルワン」を使用しているそうです。

それを聞いて納得。

 

 

それでは、ドライアイス洗浄機の準備をしてポートとバルブを洗浄していきます。

 

グリーンテック社製 ドライアイスパワGT-110

 

3mmドライアイスペレットを流し込みます。

 

カーボンを狙って噴射していきます。

 

カーボンの量は非常に少ないですが、どれもカチカチに固着しています。

1箇所ずつ丁寧に洗浄していきます。

 

写真でみると簡単そうに見えますが、実は無理な体勢での作業のため重労働なのです。

 

ずべてのポートとバルブの洗浄が終わりました。

 

覗いてみます。

 

他のバルブも全て同じように洗浄できました。

 

続いて他のパーツの洗浄をします。

 

まずはスロットルバルブから。

これがスロットルバルブです。

電子制御バルブのためご覧の通りアクセルワイヤーでつながっていません。

アクセルは単なるセンサーで運転者がどのくらいアクセルを踏んでいるか測っているだけ。

スロットルバルブはモーターで開閉し、コンピューターで制御されています。

 

アイドリング時はごくわずかににバルブを開いて空気を吸い込んでいます。

長年の使用によりこの隙間にカーボンが付着してきます。

バルブの奥が黒っぽくなっている部分がそれですね。

 

カーボンの堆積が増えるとアイドリングが落ち着かなくなってきます。

そのため定期的な清掃が必要です。

 

ひっくり返して裏側(エンジン側)です。

 

真っ黒になっています。

 

バルブの清掃にはワコーズの専用クリーナーを使用します。

 

クリーナーとウエスを使ってカーボンを除去していきます。

 

ここまできれいに除去することができました。

 

車上ではここまで完璧に清掃することはできません。

 

カーボンの除去により空気の流れが変わりますのでコンピューターの初期化が必要になります。

 

続いて燃料インジェクター。

こちらは吸気ポートに装着されているものになります。

6気筒なので6個のインジェクター。

 

ここにもカーボンが固着しています。

 

非常に小さな噴射口。

カーボンで塞がってしまいそうです。

 

それでは洗浄していきます。

洗浄にはワコーズのエンジンコンディショナー(業務用)を使用します。

 

ひとつずつ丁寧に洗浄していきます。

 

噴射口もここまできれいになりました。

 

インジェクター上下のオーリングも新品に交換します。

 

交換を省いてガソリンが漏れたりしたら大変です。

 

スペーサーも樹脂製ですので交換してきます。

 

次にインテークマニホールド

 

洗浄が終わりました。

 

ひっくり返します。

 

先ほど洗浄を終えたインジェクターを取り付けします。

 

きれいに燃料を噴射してくれそうです。

 

続いてサージタンクの洗浄です。

こちらも内部はブローバイによるオイル汚れです。

 

多少カーボンも付着しています。

パーツクリーナーとブラシを使って洗い流しました。

 

 

全ての洗浄が終わりましたので組み付け作業に入ります。

ガスケットは全て新品に交換します。

 

メタル製なので再使用できないこともないですが、メーカーの指示に従い交換します。

 

締め付けにはトルクレンチを使用します。

 

全てのボルトに規定トルクが設定されていますのでメーカーの作業マニュアルは欠かせません。

 

トルクレンチを使用して規定トルクで均等に締め付けます。

 

インテークマニホールドを組み付けしたら、ゴミが入らないようにテープで塞ぎます。

 

追加でご依頼いただいたオプション作業のスパークプラグ交換のためです。

NGK製のプレミアムRX。

こちらのプラグを指名されるお客様が増えています。

 

新旧比較。

左が使用後、右が新品のRXプラグです。

 

右側バンクは容易に交換可能ですが、

 

左バンクはハーネス(配線の束)が邪魔して難航します。

 

スパークプラグ交換が終わりサージタンクを取り付け、スロットルボディを組み付けます。

こちらのガスケットも交換します。

 

作業も終盤に入っております。

エアフロセンサー

 

外します。

 

ここも汚れるので

 

きれいに清掃します

※経験の無い方が洗浄すると壊しますので注意が必要です。

 

オプションのエアクリーナー交換。

費用も安いので同時作業がおすすめ。

 

 

 

 

組み付け作業が一通り終わりました。

エンジンコントロールコンピューターを初期化します。

毎度ながら、一発でエンジンがかかるので驚きます。

 

始動後は、少しの時間だけアイドリング回転数が高くなりますがすぐに落ち着いてきます。

 

外部診断機でライブデーターと故障コードの確認をして問題なければ走行試運転へ。

作業後の試運転は本当にわくわくします。

 

作業前と比較してどうだろう?

良くなった点はどこか?

逆に悪くなってしまっていないか?

 

神経を集中して走行します。

 

今回の作業では、エンジンの吹けが良好になりました。

インテークバルブのカーボン堆積はわずかでしたがその他の部分の洗浄効果でしょうか。

 

3,500ccによるパワフルなエンジンですので全開テストは不可能でしたが、街乗り程度でも効果が体感できました。

 

 

作業場へ戻り、最終チェックです。

 

外部診断機による故障コードチェックOK。

排気ガステスターによるチェックOK。

ライブデーターによるチェックOK。

 

もちろん走行試運転OK。

 

すべての確認を終え、お客様へご返却となりました。

 

 

直噴GR系エンジンだでけでなく、デュアル噴射の4GRエンジンへもおすすめします。

 

 

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