ウインズマルチサーブ施工店 埼玉県上尾市 オートサプライ鈴木です。
ご紹介するお車は 平成28年式 KDH201V トヨタハイエースです。
ウインズ・マルチサーブによるディーゼルエンジンのシステム洗浄のご依頼です。
埼玉県久喜市よりご入庫いただきました。
数ある自動車整備工場の中から、オートサプライ鈴木をご指名いただきまして誠にありがとうございます。
車両情報
車名 | ハイエースバン | メーカー | トヨタ |
型式 | QDF-KDH201V | グレード | DX GLパッケージ |
初度登録年月 | 平成28年3月 | 入庫時走行距離 | 142,967km |
現在の走行距離は142,967kmです。
ウインズ・マルチサーブを使用して、インテーク(吸気系統)洗浄、燃料系・インジェクター洗浄、タービン洗浄、DPFの洗浄のフルセットで施工します。
こちらのハイエースKDH201Vのオーナー様がディーゼルエンジンのシステム洗浄を依頼された主な理由は以下の通りです。
- 停車寸前にエンジンがブルブルと震えることがある
- DPFの再生間隔が短くなっている
昨今のクリーンディーゼルエンジンは、EGRといって排気ガスを吸気系に再循環させる機構があるため、吸気系統に煤カーボンが堆積しやすいのです。
さらに排気マフラーに装着されているDPFという機構が、エンジンから発生する煤カーボンなどのPM物質を捕集して排気ガスをキレイにして排出しています。
捕集したPM物質は、DPF内で燃焼されて排出しますが、ここもまた不具合が多く発生している箇所になります。
吸気系に堆積した煤カーボンを除去するためには、本来は分解洗浄が必要ですが、当店で実施しているドライアイス洗浄による除去の他、ウインズ・マルチサーブでも除去が可能です。
ただし、煤カーボンの堆積があまりにも多いと、ケミカルで溶解して除去するタイプであるウインズ・マルチサーブでの洗浄はできません。
そのような場合は、インテーク系統を分解してドライアイス洗浄が必要になります。
今回ご紹介するハイエースは、インテークの煤カーボンの堆積量が、ウインズ・マルチサーブで対応可能な範囲と判断して施工を実施することになりました。
ウインズ・マルチサーブの洗浄システムは、施工順番が決まっており、インテークからの洗浄となります。
インテーク洗浄
ウインズ・マルチサーブのインテーク洗浄は、インテークマニホールド、吸気バルブ、バルブシート、燃焼室の煤カーボンなどの堆積物、デポジット、汚染物質を除去することを目的としています。
エンジンルーム内のスロットルバルブ手前から洗浄液を噴霧していきます。
ウインズ・マルチサーブを準備します。
マルチサーブ洗浄洗浄液「ディーゼル エアインテーク クリーナー」です。
ディーゼル エアインテーク クリーナーは、吸気システム内の煤カーボン、デポジット、汚染物質を除去するために開発された強力なトリートメント材です。
システム内の堆積物や汚染物質は、吸気の低減、EGRバルブの不具合、乱気流を起こし、燃料効率の低下、息つき、アイドリング不安定、エンストなどの原因になります。
ディーゼル エアインテーク クリーナーをタンクへ洗浄液を充填します。
噴霧器のエア抜きが完了したら、エンジンへセットします。
噴霧器をスロットルバルブ手前のホースへセットして洗浄開始です。
インテークの洗浄は、エンジンを回している状態で行います。
洗浄液の噴霧は、30秒に1回1秒で行い、洗浄しながら適時調整しています。
洗浄液で溶解した煤カーボンが燃焼室へ流れ込みますので、アイドリングが不安定になることがあります。
適時、アクセルを吹かして、エンジン回転数の調整をするなどして状態を整えて洗浄を続けます。
洗浄液は、エンジンの状態によって異なりますが、500~1,000ccを使用しますので、大変な時間を要します。
時間をかけて、ゆっくり確実に汚れを落としてキレイにしていきます。
今回のインテーク洗浄は、2時間を超える時間を要しました。
洗浄完了後、軽く走行試運転を行います。
まだインテークの洗浄が終わっただけですが、エンジンか明らかに静かになっているのが分かります。
また、エンジンパワーもレスポンスも洗浄前と比較すると、明らかに向上しているのを感じました。
燃料系・インジェクター洗浄、タービン洗浄
続いて、燃料系・インジェクターの洗浄です。
タンクから吸い上げられ、フィルターを通した燃料は、ポンプで高圧に圧縮されインジェクターから燃焼室へ噴射されます。
高温高圧になる燃料配管やインジェクター内部には、燃料や不純物の劣化によるデポジット、汚れが堆積していきます。
やがて、インジェクターの詰まりや作動不良を起こしてしまいます。
そうなる前に、洗浄することでトラブルを事前に防止することができます。
マルチサーブを燃料の入口、出口に接続します。
燃料系・インジェクターの洗浄は、マルチサーブ専用の「ディーゼル・システム・パージ」を使用します。
1リットルの洗浄液をすべてマルチサーブへ投入します。
タイマーと圧力を設定して洗浄スタートです。
アイドリングでゆっくりと確実に洗浄をします。
1時間強で洗浄が完了します。
次にタービン洗浄です。
タービン洗浄は、マルチサーブ専用の「ディーゼル・ターボ・サーブ」を使用します。
1リットルの洗浄液をすべてマルチサーブへ投入します。
タイマーと圧力を設定して洗浄スタートです。
このタービン洗浄は、燃料系・インジェクター洗浄と同様に燃料系統へ洗浄液を流します。
洗浄液は、インジェクターから燃焼室へ噴射されます。
洗浄液に含まれる燃料成分は、燃焼室内で燃焼しますが、洗浄成分は排気ガス中に残り、その成分がタービンを洗浄します。
簡単に言うと、「排気ガスでタービンを洗浄する」ということになります。
排気ガスでタービンを洗浄する?
なんとも信じ難いものではありますが、洗浄前後でエンジンの調子が変わります。
タービン洗浄は、洗浄前後の変化を目で確認することができないため、効果に疑問を感じる方も多いと思いますが、
しかし、実際にタービン洗浄を実施すると、洗浄前後でエンジンの調子に変化が現れます。
洗浄効果は、目には見えない作業となりますが、効果は体感していただけると思います。
DPF洗浄
マルチサーブのディーゼルエンジンのシステム洗浄の最後はDPF洗浄になります。
赤く囲ってある部分がDPFです。
クリーンディーゼル車は、排気ガス中に含まれるPMをこのDPFで捕集して、基準の堆積量になったら燃焼して排出します。
ウインズ・マルチサーブによるDPF洗浄は、通常のDPF再生では排出しきれない固形堆積質を除去することを目的としています。
ハイエースのDPFの差圧パイプ上流側とマルチサーブを接続します。
マルチサーブ専用の「DPFクリーナー」を使用します。
1リットルの洗浄液をマルチサーブへ投入します。
エンジン停止状態で1リットルの洗浄液を、数回に分けてDPFに流し込みます。
1リットルの洗浄液を流し込んだ後は、15分間のインターバルをとります。
この間に、DPF洗浄で併用する添加剤を燃料タンクへ投入します。
マルチサーブ・DPF洗浄時に、こちらの添加剤を使用することで、更に洗浄作用を高めることが目的です。
ウインズ・DPFリジェネレーターです。
燃料タンクへ全量投入します。
15分のインターバルの後にエンジン始動します。
エンジンを始動して5分間適切な回転数を維持します。
5分経過後、すすぎ工程に入ります。
マルチサーブ専用「DPFフラッシュ」を使用します。
DPFクリーナーのアルカリ度を中和し、DPF内の汚れや煤を洗い流します。
1リットルのすすぎ液をマルチサーブへ投入します。
1リットル全量を一気にDPFへ流し込みます。
すずき液をDPFへ流し終えたら、適切なエンジン回転数を5分間維持します。
すると、マフラーからは、洗浄液と共にDPF内部の汚れが排出されてきます。
泡が溶けて落ち着いたあとの様子です。
これだけ真っ黒な汚れが排出されていました。
ウインズ・マルチサーブによるDPF洗浄が完了した後は、走行試運転、DPF強制再生となりますが、その前に、燃料系・インジェクター洗浄後に使用する添加剤を、燃料タンクへ投入します。
ウインズ・ディーゼル・エクストリーム・クリーナーです。
燃料タンクへ注入するだけで、燃料システム全体を強力に洗浄することができます。
マルチサーブで除去しきれなかった汚れなどを、確実に洗浄することを目的としています。
DPF内部の洗浄液、すすぎ液を乾燥させるため、軽く試運転を行います。
試運転の後、DPFの強制再生を実施します。
強制再生は、診断機が必要になります。
強制再生中は、マフラーから白煙が上がります。
強制再生完了です。
全ての工程が完了しましたので、走行試運転を行います。
今回、ウインズ・マルチサーブによるシステム洗浄として、
- インテーク洗浄
- 燃料系・インジェクター洗浄
- タービン洗浄
- DPF洗浄
以上の施工をさせていただきましたが、その効果は絶大でした。
- エンジンの音が静かになった。
- エンジンの振動が減った。
- 停車寸前のエンジンがブルブル振動する現象が改善した。
- アクセルレスポンスが向上した。
- エンジンパワーが向上した。
以上のような効果を実際に体感することができました。
DPF再生間隔は、短時間の走行試運転では確認ができませんが、これなら確実に効果が期待できそうです。
ご紹介したハイエースの施工は大成功となりましたが、吸気系統の煤カーボン堆積量によって、ウインズ・マルチサーブでのインテーク洗浄をお受けできない場合もあります。
調子が悪くなる前に、予防整備としての洗浄がベストですが、ご紹介したハイエースと同じようなお悩みを抱えている方はお気軽にご相談ください。
今回ご紹介した作業の施工費用は、総額で約15万円となります。
最後までご覧いただきありがとうございます。
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以下の情報をお聞きしますので、車検証のご用意をお願いします。
1~5は、車検証に記載がある項目です。
メモ
- 初度登録年月
- 車台番号
- 型式
- 型式指定番号(5桁の数字)
- 類別区分番号(4桁の数字)
- 車名・車種
- 現在の走行距離
- 不具合の有無
- 整備の目的・依頼理由
対応時間
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