クリーンディーゼル ドライアイス洗浄

【ドライアイス洗浄】当店初作業のデリカD5 4N14ディーゼル煤カーボン除去

埼玉県上尾市 ドライアイス洗浄機設置店 オートサプライ鈴木です。

 

今回のブログは、平成25年式 デリカD5 CV1W 4N14エンジンに堆積する煤カーボンをドライアイス洗浄機を使用して完全除去する様子をご紹介します。

 

埼玉県内よりご入庫いただきました。

 

数ある自動車整備工場の中から、オートサプライ鈴木をご指名いただきまして誠にありがとうございます。

 

車両情報 新車からのワンオーナー車です。

車名 デリカ D:5 メーカー 三菱
型式 LDA-CV1W グレード D-POWER
初度登録年月 平成25年4月 入庫時走行距離 219,588kM

 

 

当社でドライアイス洗浄機を導入してから5年半の歳月が経過しました(令和6年8月現在)。

 

グリーンテックジャパン ドライアイスパワーGT-110

 

 

当初は、クラウンやマークXなどに搭載されている「直噴V6GR系エンジン」の吸気系に堆積する煤カーボンを除去することを目的に導入しました。

 

画像は、当店で初めてドライアイス洗浄を実施させていただいたGRS180クラウンです。

 

 

その後、トヨタGR系エンジンの他、マツダSKYACTIV-Dエンジンの煤カーボン除去のご依頼が激増してきました。

 

 

画像は、当店で初めてマツダSKYACTIV-D2.2エンジンのドライアイス洗浄を実施させていただいたCX-5です。

 

 

 

ドライアイス洗浄機を導入してから5年半経過した現在では、大変有難いことに週に2台、月間で8~10台のマツダSKYACTIV-Dの煤カーボン除去のご依頼に対応させていただいております。

 

埼玉県内だけでなく、関東一円、東北、東海地方などからもご入庫いただき誠にありがとうございます。

 

 

マツダSKYACTIV-Dエンジンのご依頼をあまりにも多くいただくため、他のエンジンの対応が全く手に付かない状態が5年以上も続いてしまいました。

過去に他のエンジンでのドライアイス洗浄のご相談を数件いただきましたが、お役に立てず申し訳ございません。

 

 

そのような中、今まで当店で実績のない三菱デリカD5の4N14ディーゼルエンジンのドライアイス洗浄による煤カーボン除去を対応させていただくことになりました。

 

他のエンジンのドライアイス洗浄に対応する余裕がないというのは本当ですが、手つかずというか、避けていたというか、色々と事情がありました。

 

しかし、今回は一時的にマツダSAKYACTIV-Dの入庫予約が落ち着いたのと、ドライアイス洗浄を担当しているスタッフの熟練度が上がり、他のエンジンもドライアイス洗浄をやってみたいという好奇心、そして、一番の理由となるオーナー様の熱意に負け、初めてデリカD5のエンジンでチャレンジさせていただくことになりました。

 

 

このドライアイス洗浄をお受けすることになったデリカD5ですが、いきなりドライアイス洗浄のご依頼という訳ではありませんでした。

 

最初のご相談がドライアイス洗浄のご依頼だったとしたら、対応していない旨を丁重にお伝えして終わりだったと思います。

 

 

当店へのファーストコンタクトは、トルコン太郎のATF圧送交換のご依頼でした。

 

トルコン太郎のご依頼理由をオーナー様へお聞きすると以下のような回答がありました。

 

 

オーナー様談

2ヶ月前に車検があったんですね。

車検が近くなってきた頃に、いつも入庫しているディーラーから「黒煙が多いからこのままでは車検に通らない可能性があります」と言われてしまいました。

新車から約11年の間、特に不調も感じずに乗っていたのですが、車検に通らないのは困るので修理をすることにしました。

修理はディーラーに任せるのではなく、ネットで情報収集をして、茨城県にあるディーゼルエンジンを得意としている整備工場へ依頼しました。

その後、無事に車検に通すことができました。

 

以上です。

しかし、ここで話が終わりではありません。

 

黒煙を減らして車検に通すために、DPFとインジェクター交換をしたが、その後なぜかパワー感がなく、急にエンジンの調子が悪くなってしまった。

DPFとインジェクターの交換をしているのだから、不具合の原因は、エンジンではなく、ATの滑りを疑いATF交換を試してみたくなりました。

 

そこで、ネット検索によりオートサプライ鈴木を見つけていただき、トルコン太郎のATF交換のご入庫となりました。

 

最終交換で使用するATFは、ディーゼルエンジンと相性の良いパワークラスターATFレーシングをチョイスしました。

 

 

ATF交換入庫時の走行距離は215,597KM。

 

 

今回が初めてのATF交換ではなく、2年前の18万KMの時にディーラーで交換を実施しているそうです。

 

2年前に交換しているとはいえ、排出したATFは真っ黒でしたので、新油同等まできれいに交換しました。

 

1000台以上の実績のある当店で完璧なATF交換を実施しました。

ご覧の通り、きれいに交換ができました。

 

交換後は、ATはスムーズ、滑らかになりました。

 

でも何か調子が悪いのです。

おそらく、この不調の原因はエンジン側にありありそうです。

 

 

ATF交換後のお引取りの際、オーナー様から今度はエンジン洗浄のご相談をいただきました。

 

ドライアイス洗浄が気になる、やってみたいということでしたが、この時は、デリカD5のエンジンは対応していない旨をお伝えし、ご提案できるメニューはウインズマルチサーブ洗浄となることをお伝えしました。

 

 

ヨーロッパから来たこちらの洗浄機、ウインズマルチサーブです。

 

クリーンディーゼルの故障トラブ防止、定期メンテナンスを目的とした高性能洗浄機となります。

 

クリーンディーゼルエンジンに堆積する煤カーボン、不純物をトータルでメンテナンスすることが可能です。

 

DPFとインジェクターは車検に際し、すでに交換をしているので、ウインズマルチサーブ洗浄はタービン洗浄とインテーク洗浄のチョイスとなりました。

 

マルチサーブ専用洗浄液を使用して洗浄を実施します。

 

 

ウインズマルチサーブによる洗浄の様子です。

 

洗浄後は、エンジンがまるで別物のようになりました。

 

今までは、アクセルを踏み込むと、高回転域でブーストが落ちてしまいパワーダウンしてしまう症状が発生していましたが、洗浄後は各段に良くなりました。

 

しかし、他の同型デリカD5を何台か試運転したことがありますが、どの車も高回転域ではもっとパワフルだったような記憶があります。

 

洗浄前よりは格段に良くなっているので、状況をご説明してオーナー様へお車をお引渡ししました。

 

これで、満足していただければ、一連の整備は完了。

 

もう少し何とかしたいという場合は、ウインズマルチサーブで再度インテーク洗浄を実施する。

 

など、今後の対応方法が頭の中を想像がぐるぐる回っていましたが、オーナー様からの回答はこうでした。

 

 

ウインズマルチサーブのインテーク洗浄を実施したら、エンジンが調子良くなったので、吸気系の煤カーボン詰まりが不調の原因だったことは間違いない。

 

ならば、これまでの整備の集大成として、ドライアイス洗浄で吸気系の煤カーボンを完全除去すれば、本来の状態にもどせるのではないか。

 

ということで、ドライアイス洗浄を実施していただきたい。

 

ということでした。

 

 

本来であれば、マツダSKYACTIV-Dエンジンのドライアイス洗浄で手一杯になってしまっていて初めての車種を扱う余裕はありません。

 

しかし、偶然にもマツダSKYACTIV-Dの予約が入っていない日程があります(ドライアイスの神様降臨)。

いつもマツダSKYACTIV-Dばかり洗浄しているスタッフも、他のエンジンも洗浄してみたいと思っている(これは店主の勝手な予想)。

オーナー様もドライアイス洗浄を強く望んでいる(熱意に負けました)。

 

 

という条件が重なり、今回初めて三菱デリカD5のドライアイス洗浄を実施することになりました。

 

初めての車種の場合、事前にサービスマニュアルを確認して作業内容のシミュレーションを実施します。

 

吸気系統やEGR系統の構造を確認して、分解箇所や必要な部品、ガスケットなどを調べます。

 

作業に要する時間を予測し、大体の大まかな見積りをオーナー様へ提示してOKをいただいてから正式にご依頼をいただきました。

 

ちなみに気になる施工費用ですが、初めて施工する車種の場合は、プロトタイプというかβ版みたいなものとなりますので、後に正式にメニュー化された場合の価格よりは安くご提示させていただいておりますが、それでも今回のデリカD5は総額で20万円近い金額となっております。

 

 

それでは、当店初となります三菱デリカD5の吸気系の煤カーボンドライアイス洗浄を開始します。

 

 

3度目となります今回のご入庫時の走行距離は219,588KM。

 

新車からワンオーナーのお車ですが、吸気系の洗浄は前回のマルチサーブでの洗浄のみとなります。

 

 

走行試運転、事前チェックをしてからエンジンを必要最低限の範囲で分解します。

 

今回はラジエーターグリルのみ取外して、フロントバンパー、ラジエーター、コンデンサーは取り外さないで作業を実施することにしました。

 

インテークマニホールドやEGRパイプ、スロットルバルブなどを分解します。

 

スロットルバルブ

 

EGERパイプ

 

インテークマニホールド

 

EGRクーラーもは数ヶ月前に交換済みということで、煤カーボン堆積による不具合はないようです。

 

EGRクーラーです。

マツダSKYACTIV-D2.2エンジンの場合、交換が必要になるケースが多々ありますが、構造が全くことなるためまずは超音波洗浄を試してみます。

 

マニホールド取り外すと、吸気ポートの状態が見えてきます。

 

2週間前にウインズマルチサーブを実施して、別物かと思うくらい回復したエンジンでしたが、それでも大量の煤カーボンの堆積が残ってします。

 

1番の吸気ポートは奥まで見ることができないくらい大量に煤カーボンが堆積しています。

 

2番の吸気ポートもご覧のとおり、大量の煤カーボンの堆積が見受けられます。

 

3番の吸気ポートは1、2番のものよりは若干少ない堆積量でした。

 

4番の吸気ポートは他のものの中で一番堆積が少なく見えます。

ウインズマルチサーブのインテーク洗浄で煤カーボンが溶けたような跡が見受けられます。

 

ポート内部とバルブは外部から目視で見ることができないためスコープを使って確認します。

 

 

 

すると、内部は大量の煤カーボンが堆積していて大変な状況であることがわかります。

 

 

このお車は、1ヶ月前にウインズマルチサーブのインテーク洗浄を実施しています。

 

この洗浄で、別物かと思うくらい回復したエンジンですが、分解をしてみると、こんなにも大量の煤カーボンが堆積していました。

 

これは、ウインズマルチサーブの洗浄効果が低いのではなく、煤カーボンの堆積量が多すぎたため、1リットルのマルチサーブインテーク洗浄液では落としきれなかったという事になります。

 

この落としきれなかった煤カーボンが、他の同型車と比較して高回転域でのパワー不足を感じさせる原因となっていたということです。

 

 

分解して、状況は確認できましたので、ドライアイス洗浄機と超音波洗浄機を使用して、各部に堆積した煤カーボンを完全に除去していきます。

 

 

インテークマニホールドを手作業でホジホジした結果がこちらです。

 

体積にして、約150CCの煤カーボンが取れました。

 

 

インテークマニホールド、EGRパイプ、EGRクーラーは超音波洗浄機を使用して煤カーボンの除去をします。

 

エンジン吸気ポートの洗浄に入ります。

 

吸気ポートから出てきた煤カーボンは、全て外へ出てきますので、お車を汚さないように厳重に養生をします。

 

 

軽く手作業でホジホジを実施しますが、掘っても掘っても出てきます!

 

1番から4番まで全てのポートから出てきた煤カーボンは約400CC

 

ホジホジにより、入口付近はキレイになりましたが、ポート奥のバルブ付近には大量の煤カーボンが残っています。

 

いつものドライアイス洗浄を実施して、煤カーボンを完全除去していきます。

 

グリーンテックジャパン ドライアイスパワーGT-110

 

各ポートを一つ一つ、丁寧に確実な作業を実施します。

 

いつものマツダSKYACTIV-Dと異なりポートへのアプローチが難しく3倍以上の時間を要しました。

 

次回からはアプローチを考え、フロントバンパー、ラジエーター、コンデンサーも脱着して洗浄を実施することにします。

 

洗浄結果です。

 

いつもと違うエンジンでしたので時間はかかりましたが、きれいになりました

 

マツダディーゼルと異なり、ポート内部はツルツルです

 

インテークバルブのシャフトも見えるようになりました

 

 

インテークバルブの表面もピカピカです

 

 

インテークバルブの洗浄前後

 

 

吸気ポートの洗浄前後

 

 

インテークマニホールドの洗浄前後

 

 

スロットルバルブ洗浄前後

 

洗浄後は、ガスケットやホースなどの必要部品を用意して組み付け作業です

 

ボルトの締め付けにはトルクレンチを使用して正確に組み付けしています

 

 

 

ミツビシデリカD5の4N14エンジンの吸気系ドライアイス洗浄を実施しました。

 

まだ施工実績が少ないですが、同じような症状にお悩みの方は、ドライアイス洗浄で対応可能ですので、お気軽にご依頼ください。

 

最後までご覧いただきありがとうございます。

 

 

その他の作業事例はこちらからご覧ください。

 

 

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