DPF洗浄 ドライアイス洗浄

P0401 EGRシステム流量不足 警告灯が点灯したCX-5のエンジンドライアイス洗浄

マツダ CX-5に搭載されるSKYACTIV-D2.2エンジン

 

EGR系統の詰まりが原因でエンジン警告灯が点灯する不具合が頻発しています。

 

ご相談を多くいただきますので、実際の作業を例にブログにてご紹介いたします。

 

 

ご紹介する車両は、

平成27年3月登録 マツダ CX-5

 

茨城県取手市からのご入庫です。

 

 

現在の走行距離は139,928KM。

 

 

エンジン警告灯(チェックエンジンランプ)が点灯しています。

 

 

オーナー様が地元のマツダディーラーへ相談したところ

「吸気系とEGR系の煤がたまっているのが原因でしょう」との見解だったそうです。

 

ディーラーでの修理見積が想定外に高額だったため、オーナー様はネット検索で情報収集。

そこで、オートサプライ鈴木で施工しているドライアイス洗浄機を使用して吸気系カーボンを除去するサービスを見つけ、お電話によりご相談をいただきました。

 

ディーラでの作業内容・見積り価格と比較検討して、最終的に選ばれたのは「オートサプライ鈴木」でした。

 

このような依頼が大変増えております。

 

 

 

グリーンテックジャパン ドライアイスパワー GT-110

 

 

エンジンの吸気系に堆積するカーボンをドライアイス洗浄機を使用して除去するサービスです。

 

 

-80℃のドライアイスを圧縮空気を使用して対象物に打ち込んで母材を痛めずスピーディーに洗浄をするものですが、実はそんなに簡単な作業ではありません。

 

取扱い開始から3年経過、現在までの施工台数は約90台。

経験も積み熟成の域に達してきたかなと思っております。

 

 

オートサプライ鈴木の「マツダSKYACTIV-D2.2エンジンの吸気系・EGR系カーボン除去」ですが、本来は『故障予防のための整備』です

 

 

しかし、今回ご紹介する『EGR系と吸気系のカーボン堆積』が原因でエンジン警告灯が点灯している場合は当サービスで修理が可能です。

 

 

作業の内容はほぼ同一ですが、EGRクーラーは、カーボンが固着していることが多く交換が必要になるケースが多いです。

 

 

いただいた情報から「EGR流量不足」と想定して、いつもの吸気系カーボン洗浄にEGRクーラーとパイプの交換をご提案させていただきました。

 

 

冒頭でも書いておりますが、一度ディーラーでの診断を受け修理見積を出していただいております。

 

某マツダディーラーでの提案作業とお見積り額

  • インテーク・マニホールド交換
  • EGRバルブ交換
  • EGRクーラー・バイパスバルブ交換
  • スロットルボデー交換
  • ガスケット類交換

見積もり額 約18万円弱

高価なマニホールドやEGRバルブ類は全て交換でのお見積りです

 

EGRクーラーは交換も洗浄も含まれていませんでした。

エンジンの吸気ポートの洗浄もなし。

 

ということは、ディーラーの提案作業は、EGRクーラーや吸気ポートには、しっかりとカーボンが残留している状態で修理完成となるということですね。

 

ちなみに、この車両のEGRクーラーと吸気ポートはこのような状態でした。

 

出口側(右下写真)は目詰まりが目立ちます

 

吸気ポートは、オイルを含んだカーボンが固着しています

 

EGRクーラーや吸気ポートのカーボンを除去せずに、マニホールドやEGRバルブの交換で修理を済ませてしまうと、後にトラブルが発生してしまうのではないかと心配になります。

 

オートサプライ鈴木では、マニホールドやEGRバルブは洗浄で対応可能です。

さらに、EGRクーラーや吸気ポートも洗浄によりカーボン除去が可能です。
※EGRクーラーはカーボンの堆積具合によって交換をおすすめする場合があります。

 

普段、オートサプライ鈴木が予防整備として行ってい、る吸気系カーボン洗浄は吸気系とEGR系のカーボンを部品交換することなく洗浄で対応しておりますが、今回は警告灯の点灯がありますのでEGRクーラーとEGRパイプ(マニホールド内)は交換でお見積りいたしました。

オートサプライ鈴木の提案作業とお見積り額

  • インレット・マニホールド洗浄
  • EGRバルブ洗浄
  • EGRクーラー・バイパスバルブ洗浄
  • スロットルボデー洗浄
  • ガスケット類交換

ディーラーで交換見積になっているマニホールドとEGRバルブ類やスロットルボデーは洗浄で対応可能です。

そして、下記項目もオートサプライ鈴木の見積りには含まれております(ディーラー見積りには含まれておりません)。

  • エンジン吸気吸気ポート洗浄
  • EGRクーラー交換
  • EGRパイプ交換(マニホールド内)
  • EGRパイプ洗浄(クーラー・バルブ間)
  • インタークーラー内部洗浄
  • エアクリーナー交換
  • エンジン冷却水交換
  • ラジエターキャップ交換

参考見積もり額 約18万円強

2023年12月追記
部品価格と施工費改定のため、2023年12月現在の同作業参考見積額は約21万円となります。

またこのブログを紹介した時点では提供がありませんでしたが、現在(2023年12月)はドライアイス洗浄に合わせて「冷却水バイパスパイプ」の交換を実施しています。
こちらの費用は約1.6万円となります。

 

今回のCX-5のオーナー様は、ディーラーでの作業とオートサプライ鈴木での作業を比較検討していただき入庫を決めていただきました。

 

 

一応ですが、お伝えしておきます。

 

オートサプライ鈴木は、「安さ」を売りにはしておりません。

価格競争には参加しません。

と言いますかできません。

 

そんなことをしたら、零細企業は一瞬で破綻してしまいます。

 

付加価値の高い商品・サービスを、自社なりに考えている「適正価格」で販売させていただいております。

高いと思うか、適正または、安い!と思っていただけるかはお客様次第です。

 

前置きが長くなりましたが、ディーラーの提案よりも効果的な修理を少しの差額の負担でお受けすることになりました。

 

 

それでは、作業に入ります。

 

 

 

まずは事前チェックです。

 

走行試運転をします。

 

エンジン警告灯が点灯している状態でありながら、普通に走れてしまいます。

 

不具合を感じません。

 

 

 

次に故障コード確認です。

 

出ました。

定番の『故障コード0401 排気ガス再循環(EGR)システム流量不足』です。

 

 

文字通りの不具合ですね。

 

どこかが詰まってEGRの流れが不足、というか閉塞に近い状態になっているはずです。

 

 

ここ最近は、何台も同じ状態のお車を診ていますので、詰まっている箇所の見当がつきます。

 

マツダ SKYACTIV-D 2.2 エンジン

 

非常にパワフルで余裕の走りを楽しむことができるエンジンです。

個人的に好きなエンジンです。

 

しかし、楽しさと引き換えに維持メンテナンスは相応に必要になるかもしれません。

 

 

では、作業開始です。

 

いろいろと『やり方』はあると思いますが、私の場合はインタークーラーから取り外していきます。

 

インタークーラーの出口側の様子です。

ブローバイのオイルで内部は黒っぽくなっているのが確認できます。

 

インタークーラーに温度センサーが付いていますが、そのハーネスのコネクターがラジエーターコアサポートに固定されています。

 

ここを外すときにコネクターを破損させてしまうことが多いようですが、丁寧に作業すればこの通り。

 

インタークーラーが外れました。

 

インタークーラー出口側の様子です。

 

インタークーラーは作業の間、出口側を下に向け縦に固定しておいて、内部に付着したオイルを排出しておきます。

 

下にはトレーを用意しておきます。

 

インタークーラーが外れたら、冷却水を抜きながらエンジン補機類を分解していきます。

 

エアークリーナーは組み立て時に交換します。

 

EGRクーラーです。

 

EGRパイプ(クーラー・バルブ間)を外します。

 

洗浄で問題ないレベルです。

 

ここはカーボン多めです。

 

カーボンが確認できますが、暗くて良く見えません。

 

EGRクーラーが外れました。

 

半分以上は塞がっています。

これは交換したほうが無難なレベルです。

 

EGRクーラー・バイパスバルブ

 

洗浄で問題ないレベルです。

 

EGRバルブ

 

煤の付着は多めですが、洗浄で問題ないレベルです。

 

 

補機類が外れたらマニホールドを外します。

 

マニホールドを分離すると見えてきます。

想像通り、オイリーになっています。

 

EGRが塞がってしまうと、フレッシュエアーのみ吸い込むようになります。

 

フレッシュエアーと聞くと新鮮な空気を想像してしまいますがそうではないようです。

 

ブローバイガスを含んだフレッシュエアーは、インタークーラーで冷却されオイルが液化します。

 

EGRが正常で走行6万KM以下の場合、サラサラとしたカーボンが溜まります。

ここで一度洗浄をしておけば良いのですが、そのまま乗り続けてマニホールド内のEGRパイプがカーボンで塞がってしまうと、EGRが機能しなくなりフレッシュエアーだけを吸って、結果このようにオイリーになってしまうのではないかと思います(あくまでオートサプライ鈴木調べです)。

 

 

 

吸気圧センサーもオイリーなカーボンで埋まっています。

 

吸気シャッターバルブからの様子

 

吸気シャッターバルブと分解します。

 

EGRパイプは完全に塞がっています。

 

固定ボルト3本を外して回し、反対側を確認してみます。

 

反対側も完全に塞がっていました。

 

・・・・・・・・。

 

EGRシステム流量不足の故障コードが出ている車両の多くがこのような状態になっています。

 

EGRパイプを抜き取った後のマニホールドです。

 

吸気シャッターバルブです。

 

カーボンの堆積は少な目です。

洗浄で問題ないレベル。

 

吸気圧センサー

 

この状態で正常に機能しているのがおどろきですが、やはりきれいにしておきたいですね。

 

マニホールド内のカーボン除去専用ツールです。

(というのは冗談で、ホイルキャップを外すためのツールを使用しています)

 

ホジホジするとご覧の通りです。

 

湿ったカーボンです、これはエンジンオイルを含んでいる状態です。

 

マニホールドは洗浄層に付け込んでカーボンを落とします。

 

EGRパイプも同様に漬け込み洗浄をします。

 

いよいよエンジンの吸気ポートです。

 

カーボンの堆積は少なめです。

奥のほうはどうでしょうか。

 

吸気ポートは入口から奥のほうまで少なめでした。

 

 

カーボンが少ない理由としては仮説ですが以下の通りだと思います。

 

EGRが詰まる前は大量のカーボンが蓄積していたものと予想されます。

予防整備で入庫する車は全てこの段階になります。

 

EGRが詰まると、インタークーラー経由でオイルを含んだフレッシュエアーだけをエンジンは吸い込みます。

 

このフレッシュエアーに含まれるオイルがカーボンを溶かして燃焼室へ送ることで吸気ポートの堆積が減るのではないかと推測しています。

 

 

ポートからはインテークバルブの様子が全く見えないためスコープを使用して確認します。

 

バルブの様子はこんな感じでした。

内部の暗さとオイルを含んだカーボンの黒さで写真が見にくくて申し訳ありません。

 

 

それでは、洗浄機を用意して洗浄作業を開始します。

 

ドライアイスが当たったところは一瞬でカーボンが吹き飛びきれいになります。

 

そして、ポートからは大量のカーボンが出てきます。

 

ポートから飛び出すカーボンは大きいものから小さいものまで大量です。

 

作業場の床にも大量のカーボンが飛び散ります。

 

 

 

ドライアイス洗浄機を使用して、吸気系に堆積するカーボンを除去する。

 

導入前は、簡単にカーボンが落ちるものと軽い気持ちでおりましたが、実際は決してそうではありませんでした。

 

 

思考錯誤しながら、数十台の施工を経験し、作業も熟成してきました。

 

 

数種類の洗浄ノズルやドライアイス洗浄機以外の設備や道具を駆使して洗浄作業が終了しました。

 

洗浄後はインテークバルブの形状もはっきりとわるようになりました。

 

EGRクーラーはこの状態です。

洗浄は可能ですが、クーラーの外周部の詰まりは除去に時間がかかり過ぎるため新品交換になります。

 

将来的には自社にてリビルト品を生産して交換ができるよう準備しております。

 

 

こちらは新品です。

 

EGRパイプ(マニホールド内)は完全に詰まっている状態です。

 

新品に交換です。

 

 

組み付け工程に入ります。

 

ガスケット類は全て新品交換になります。

 

吸気シャッターバルブ洗浄後

 

吸気圧センサー洗浄前

 

洗浄後

 

吸気温センサー洗浄前

 

洗浄後

 

EGRバルブ洗浄後

 

EGRクーラーバイパスバルブ洗浄後

 

EGRパイプ洗浄後

 

制限プレートの取り付けも行いました。

 

新品のEGRクーラーを取り付けます。

 

ターボチャージャーの出口には少量のオイルがたまっていますので、吸引して除去します。

 

エアークリーナーも新品に交換します。

 

インタークーラーは取り外して縦の状態にして、内部のオイルを自重で落としておきました。

 

パーツクリーナーで仕上げ洗浄します。

 

新品のようにきれいになりました。

 

洗浄液とともに内部からでてきたオイルです。

 

 

 

組み付けも最終工程です。

 

今回の作業でエンジン冷却水を抜き取ります。

 

その際、ラジエーターキャップを外しますが、入庫する車両のほとんどが新車から5~7年経過しているためパッキンが痛んでいます。

 

見落としがちなこの部分、高い部品ではありませんので新品に交換します。

 

全ての工程が完了しました。

 

 

続いて外部診断機を接続します。

 

故障コードなし。

 

続いてバルブ類の初期化を実施します。

 

 

いよいよエンジンスタートです。

 

スタートボタンを押すと、スターターが良きよくまわります。

 

エンジンも無事に始動しました。

 

アイドル回転は安定しています。

 

 

 

エンジンが温まったところで燃料噴射量学習を行います。

 

 

 

最後に走行試運転、故障コード確認。

 

故障コードなし

 

EGR流量不足によりエンジン警告灯が点灯したCX-5。

吸気系洗浄をして無事に完治しました。

 

今回の作業で用意したドライアイスの残りを使用してエンジンルームの洗浄ををしました。

 

 

今回の吸気系洗浄にあわせてDPF洗浄を実施しました。

 

ワコーズディーゼル2を使用して、DPFを車両から取り外すことなく洗浄をします。

 

 

ディーゼル2は単に流し込んでお終いではありません。

 

洗浄効果を高めるため適切な作業を実施しております。

 

強制再生を実施します。

 

外部診断機でモニターすると数値も良好になりました。

 

この作業は吸気系カーボン洗浄とあわせて作業をすると、新車のようにパワフルなエンジンへと蘇ります。

 

DPFを取り外して洗浄をする場合の1/5のコストで施工が可能です。

 

 

同時期にもう一台のCX-5が入庫していました。

 

入庫まで2~3ヵ月待ちとなっておりますが、今後は作業手順を見直して、月あたりの対応台数を増やしていく予定です。

 

最後までお付き合いいただきありがとうございます。

 

 

 

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