ハイブリッド車・EV車のエアコンメンテナンス
トヨタ プリウス ZVW30
現在の車はハイブリッド車が増加し、エアコンの制御も変化しています。
ハイブリッド車は電動コンプレッサーを使用してエアコンを駆動しています。
従来型のコンプレッサーと異なる点がありますので、メンテナンスには注意が必要です。
電動コンプレッサーとは
従来はベルトを使用してエアコン・コンプレッサーを駆動していましたが、ハイブリッド車の場合は一定時間エンジンが停止しますので、従来型のコンプレッサーではエアコンが使用できなくなります。
そのため、殆どのハイブリッド車(一部を除く)は、従来のベルト駆動コンプレッサーではなく、電動モーターで駆動する電動コンプレッサーを使用しています。
電動コンプレッサーの駆動には高圧の電源を使用しています。
電動コンプレッサーの特徴
特徴1:絶縁性の高い潤滑オイル POE
電動コンプレッサーは、モータ部(内部高電圧部)とコンプレッサハウジングの絶縁をする必要があるため、潤滑オイルには絶縁性の高いPOE系を使用しています。
この POE オイルですが、従来のコンプレッサーに使用する PAG オイルとの互換性がありません。
また、誤って電動コンプレッサーのエアコン配管に PAG オイルを少しでも混入させてしまうと、電気絶縁性が低下し漏電する可能性があります。
漏電するとエンジン不調などのトラブルが発生します。
誤って PAG オイルを混入させてしまった場合は、エアコン配管内部を分解洗浄するか、すべて取替しなければなりません。
オートサプライ鈴木では、混入を防ぐために POE と PAG に対応した機械を使用しています。
プロステップ:カーエアコンサービスステーション PS134+
スナップオンにもOEM採用されています。
POE PAG の混入を防ぎ、安全にエアコンガスクリーニング・リフレッシュが可能になります。
特徴2:エアコンガスの減少に気がつきにくい
従来の車とハイブリッド車。
どちらの場合でも、エアコンガスは年々少しずつ減少していきます。
理屈上は減らないというのが通説ですが、配管のつぎ目などから漏れいきます。
どんな車も年数が経過すれば、ガスは減ってしまいます。
ガスが減ったらエアコンの効きが悪くなりますので補充すれば良い。
それだけのことですが、ハイブリッド車はガスの減少に気が付くことが困難なのです。
このことはあまり知られていませんが、実は大変重要なことなのです。
従来のベルト駆動コンプレッサーの場合は、エンジンの回転数に比例して回転していました。
そのため、エアコンガスが減ってくると回転数の低いアイドリングで冷えが悪くなる症状が現れます。
一方、電動コンプレッサーの場合は、ガスが減ってくるとコンピュータがコンプレッサーの回転数を上げでしまいます。
回転数が上がれば、ガスが減ってもエアコンは効いた状態になりますので気が付きにくいのです。
エアコンが効けば問題ないのでは?
多くの場合、そう思います。
しかし、そうではないのです。
ハイブリッド車の場合、エアコンガスの減少に気が付かないでいると最悪の場合、高回転で回り続けた電動コンプレッサーが破損してしまいます。
ガスが減ってコンプレッサーが破損するのは以下の通りです。
- 電動コンプレッサーの回転数が上がる
- コンプレッサーに負担がかかる
- コンプレッサーが破損する
ガスが減っても冷える。
電動コンプレッサーの長所でもあり、致命的な短所でもあります。
ハイブリッド車はエアコンの効き具合に関わらず、定期的なメンテナンスをご提案します。
HV EV車のエアコンガスクリーニング・リフレッシュ料金
工賃 17,930円(税込み・コンプレッサオイル添加剤・追加エアコンガス含む)、Wエアコン車は+1,100円
コンプレッサーオイル添加剤は、ニューテックNC-200、ワコーズPACから選択可能です。