平成28年式 スバル レヴォーグ VM4
リニアトロニックCVTオイルと前後のデフオイル交換のご依頼です。
走行距離は153,598KM。
なんと、新車から3年半でこの走行距離です。
フォームからの見積り依頼、メールでのやり取りを経て、「パワークラスター」を使用して交換することに決まりました。
トルコン太郎 × パワークラスターATF。
国内で施工できるお店が数件程度と希少なサービスになります。
CVTオイルには「ATFレーシング」を使用します。
パワークラスター ATFレーシング
ベースオイルにはコンプレックスエステルとアルキルナフタレンを使用した高性能モデル。
極圧性が高く、スポーツ走行などの長時間の高温状態にも耐久性をもたせ、動力伝達能力を向上。
動力伝達能力低下が原因で生じた「トルク不足」「燃費の悪化」「レスポンスの悪化」を蘇らせる特殊なブレンドオイルです。
それでは、早速作業に入ります。
事前チェックから開始します。
まずは走行試運転です。
15万KMを超える走行距離ですが、走行性能は快調です。
しかし、街乗り走行では問題ないレベルですが、アクセルを踏み込んで加速テストをすると、エンジン回転数のわりに車速が上がらない感じがします。
エンジンは頑張って回転数を上げていきますが、動力が充分に伝わっていかない、活かされていない感じ。
CVTオイルの劣化により、トルクコンバーター内部での伝達能力が低下しています。
メーカーは燃費を重視するあまり極限まで低粘度化したオイルを採用しています。
しかし、経年劣化したオイルは必要な油圧を保つことができなくなり、本来のCVTの性能を発揮できなくなります。
場合によっては不調がでてきます。
そこでCVTのオイルを交換すれば直ると思われがちですが、そう単純な話ではないのです。
新車のときは当然、CVTの内部も新品です。
極端な話、CVTにどんなオイルが入っていてもある程度は調子よく走ってしまいます。
しかし、10万KM以上走行していれば、顕在化していなくても内部の劣化や摩耗は相応にすすんでいます。
そのため、新車時と同じ純正オイルで交換しても新車の様には戻りません。
そこで、社外の高性能オイルの出番ということになります。
社外の高性能オイルは、CVTの劣化や摩耗を補い、本来に性能を発揮できるようになります。
場合によっては新車同様か、新車以上の調子になってしまいます。
これが、社外高性能オイルは高額な施工になってしまいますが、多くの方から選ばれる最大に理由になります。
しかし、社外オイルも多種多様。
使用しているベールオイルも異なればオイルの硬さ(粘度といいます)も異なります。
オートサプライ鈴木では、「ワコーズ」「ニューテック」の高性能オイルに加え、トップレベルの高性能オイル「パワークラスター」を取扱いしております。
お客様のお好みで、幅広いCVTオイルから選択が可能です。
今回ご紹介するレヴォーグのオーナー様は、市販品最高性能オイルを選択されました。
リニアトロニックにお試しいただきたい最高性能オイルになります。
交換後の変化が楽しみです。
オイルの話になると、ついつい力が入ってしまい、長くなってしましました。
それでは、作業に戻ります。
ピットへ戻り、外部診断機を接続して故障コード確認をします。
CVTの故障コードは問題なし。
それでは、交換作業にはいります。
フルードレベル調整は水平状態が絶対条件。
レヴォーグを水平にリフトで持ち上げます。
スバルリニアトロニックCVTミッションです。
メーカーやディーラーでは、CVTオイルの交換は推奨していません。
何故だろう?
劣化しないオイルはないのに何故だろう?
ここ数年考え続けて一つの答えが見つかりました。
- 定期的な交換を推奨してしまうと、現場での対応が追い付かない。
- 正確に交換ができる技量をもったメカニックがいない。
- 無交換で10万KM走行できればお客は文句を言わない
- 10万KM走って故障したらミッション交換、または新車乗り換え
メーカー系列の販売店さん(ディーラーのことです)は、販売した新車の点検や保証整備、リコール作業に追われて、面倒なATF/CVTオイルの交換をしている暇がない
おそらくこんな感じではないでしょうか。
オートサプライ鈴木では、幸い?販売させていただいた新車の点検や整備の入庫は極わずかになります。
ディーラーが面倒くさくて?やりたくないATF/CVTオイル交換もでできてしまいます。
スバルリニアトロニックCVTオイル交換に関しては、年間で数十台の施工実績があります。
それではオイルパンからをCVTオイル排出します。
ここから排出されるオイルは全体の1/2~1/3で、あとは内部のバルブやトルクコンバーターに残ってしまいます。
排出油のサンプルを採取します。
オイルが抜けたらオイルパンを剥がします。
オイルパンを外すとオイルストレーナーが出てきます。
吸い込み口からは異物の付着が確認できます。
取り外したオイルパンとストレーナーです。
オイルクリーナーマグネットには鉄粉が付着しています。
走行距離15万KMですが、鉄粉は少なめでした。
オイルパン底部の沈殿もほとんどありません。
オイルストレーナーは新品交換します。
吸い込み口には大量の異物が付着しています。
新品はメッシュの裏側まで透けてみえます。
オイルパンの洗浄をしていきます。
オイルパンに傷をつけないよう気を付けて液体パッキンを剥がします。
オイルクリーナーマグネットは高価なものではありませんので新品交換します。
洗浄を終えたオイルパンにマグネットを装着します。
オイルパンは新品の様に再生します。
黒光りしてピカピカです。
ストレーナーを組付けます。
トルクレンチを使用してメーカー規定トルクで正確に締付します。
オイルパン取り付けボルトは新品交換します。
オイルパンに液体ガスケットを塗り取付けします。
ここもトルクレンチ使用で正確に締付します。
最後にドレンプラグガスケットを新品交換して締付します。
トルコン太郎から6.5リットルの新油を補充します。
この補充を初期補充といいます。
初期補充とこの後に行うプレ洗浄にはスタンダードオイルを使用します。
実は、この時に使用するオイルは最近まで純正オイルを使用していました。
社外で適合する安価なオイルがなかったからです。
洗浄し使用可能な安価な社外の適合オイルを見つけることができましたので、コストダウンに成功しました。
補充後にエンジンを始動すると、CVT内部に残っていたオイルと補充した6.5リットルの新油が混ざり合ってトルコン太郎の真ん中のモニターに流れ込んできます。
左のモニターは新油、右のモニターはレヴォーグのCVT内部に流れているオイルです。
抜き取り油との比較です。
抜き取り油の汚れ具合は比較的軽度ですが、6.5リットル交換しても差は極わずか。
初期補充と洗浄の後は、CVTオイル全量の1.2倍量を使用して1回目の圧送交換を実施します。
この交換はCVT内部の洗浄を目的に行い、「プレ洗浄」といいます。
右手前の廃油モニターに流れてくるオイルがきれいになっていく様子をご覧ください。
14.6リットルの交換が終了しました。
圧送交換が終わると自動でクリーニングモードへ移行します。
現在レヴォーグのCVT内部に流れているオイルがトルコン太郎の真ん中のモニターに流れ込んできます。
新油と比較です。
抜き取り油との比較。
モニター内部のフィルターが見えるまでになりました。
2回目の交換に備えて、しっかりと洗浄します。
洗浄を終えたら、本命オイルの登場です。
パワークラスター ATFレーシング。
トルコン太郎にセットした洗浄油をパワークラスターに交換します。
いよいよ最終交換。
洗浄油を回収しながらパワークラスーATFと入れ替えします。
14.6リットルの交換が終わりました。
左のモニターは新油、右のモニターはレヴォーグのCVT内部を流れているオイルです。
新油と同レベルまできれいになっています。
フィルターの模様もくっきり見える透明度。
交換後はトルコン太郎を切り離し、CVT油温を規定値に調整します。
メーカーの指定温度になりました。
フルードレベル調整の際にサンプルを採取します。
CVTオイル交換作業は終了しました。
CVTオイル交換による故障コード発生を確認します。
故障コードはなし。
診断機を使用して、学習値のリセットと初期学習を実施します。
CVTオイル交換では不要とされている作業ですが、純正と特性の異なるオイルで全量交換しますので実施しました。
パワークラスターATFレーシングを使用したCVTオイル交換作業はここで終了です。
後の試運転が楽しみですが、次にデフオイル交換をご紹介します。
デフオイルはATFと合わせてパワークラスターのギヤオイル「スーパーレーシング75W-90」を使用します。
特殊なオイルのため、いかにも業務用風なペール缶に入っています。
ギヤオイル スーパーレーシング
マニュアルミッション、デフ用の高性能ギヤオイル。
ベースオイルにエステルを使用し、高粘度PAOとアルキルナフタレンや特殊添加剤を使用。
極圧性が高く、スポーツ走行などの長時間の高温状態にも耐久性をもたせ、ギヤやベアリングを保護します。
極力抵抗を減らし「ノイズ削減」と「軽さ」を体感できる効果もあります。
特殊な分子技術を使った最高品質のギヤオイルです。
CVTオイルと異なり、前後のデフオイルは4万KMごとの定期交換が指定されています。
ギヤオイルは高度な交換技術を必要としないからでしょうか。
フロントのデフオイルから交換します。
強烈に固く締め付けられているドレンプラグを外します。
開口部が大きいのでドバドバとオイルが出てきます。
ドレンプラグ、オーバーフロープラグ、フィラープラグを外します。
丁寧に洗浄します。
ガスケットはもちろん新品交換です。
オイルの排出が終わったらドレンプラグを締め付けます。
トルクレンチを使用して正確に締付します。
パワークラスターギヤオイル「スーパーレーシング75W-90」を使用します。
フィラープラグからバケットポンプを使用して補充します。
オーバーフロープラグから出てくればOK。
フィラープラグをトルクレンチで締め付けます。
最後にオーバーフロープラグを締め付けて完成です。
つづいてリヤデフオイルの交換です。
こちらもなかなかの固さで締め付けられています。
ドレンプラグを外しオイルを排出します。
フィラープラグ、ドレンプラグともに丁寧に洗浄します。
もちろんガスケットは新品交換。
トルクレンチでドレンプラグを締め付け。
バケットポンプからデフオイルを補充します。
フィラープラグまで補充すれはOK。
フィラープラグをトルクレンチで締め付けして完成。
CVTオイル交換、前後のデフオイル交換、すべての作業が終了しましたので最後のチェックです。
走行試運転です。
Dレンジに入れてアクセルに軽く足をのせた瞬間から違います。
エンジンの動力を無駄なく確実に伝達しています。
伝達力が高すぎて、低回転域ではエンジンパワーが負けているようにも感じるほど。
アクセルを踏み込んでターボが効く回転域になると、エンジン回転数と比例して車速がグングン伸びていきます。
交換前に感じたトルクコンバーターでのパワーロス感はまったくありません。
エンジンパワーをロスすることなくダイレクトに伝えることができるようになりました。
一人感動しながら走行試運転を終えピットへ戻ります。
最後にもう一度外部診断機で故障コード確認をして完成です。
トルコン太郎 × パワークラスター
全量交換でここまできれいに交換できます。
オートサプライ鈴木のATFラインナップに新たに加わった「パワークラスターATF」。
スバルリニアトロニックCVTとの相性も良さそうです。
今回はギヤオイル交換も同時に実施していますので、相乗効果で車が軽く感じられるようになりました。
交換効果を体感できるCVT、デフオイル交換。
朝入庫の夕方完成、日帰り作業が可能です。
お問い合わせはお気軽にどうぞ!
お客様の声をいただきました
加速感、アクセルを踏んだときのダイレクト感、燃費が新車の時用も向上した
お客様の評価 オススメ度 ★★★★★ ★★★★★(星10コ!)
先日はREVORGのCVTオイル交換をしていただきましてありがとうございました。
お店を出て最初の角を曲がり加速した瞬間に明らかな違いを感じることが出来ました。
あれから約3,000km走行し、オイルも馴染みコンピューターも学習が一通り終わり、加速感、アクセルを踏んだときのダイレクト感、燃費と新車の時よりすべてが向上していて走るのが楽しく走行距離がますます伸びてしまう日々です。
これも最近導入したとても良いオイルとオススメをしていただいたパワークラスタ―のレーシングに交換したからに他ならないからと感じております。
車の走りについて感動しきりなのですが、何より一番感動したのはオートサプライ鈴木様の丁寧すぎる施工です。
メールで問い合わせさせて頂いた時から入庫時、作業終了時、アフターに至るまで細かく説明又、車の状態を気にかけて下さいました。
今までディーラー含め色々な整備工場に預けたりもしましたが、共通して言える不満は、自分の車がどの様な整備をされたか分からない、と言うことです。
作業内容をたくさんの写真により見える化されているオートサプライ鈴木様によりその不満は見事に解決いたしました。
自分の車の事を誰よりも大切にしている方にこそオススメさせていただきたいと思っております。
これからまたお世話になると思いますが、その際はどうぞよろしくお願いいたします。
アンケートのご協力ありがとうございました。
いただいたお言葉を励みに今後もより良いサービスのご提供に努めます。
またの機会のご利用をお待ちしております。
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