クリーンディーゼル ドライアイス洗浄 マルチサーブ

【ドライアイス洗浄・マルチサーブ洗浄】白煙の出るマツダディーゼルCX-5のエンジン洗浄

マツダディーゼルCX-5

埼玉県上尾市 エンジン洗浄機設置店 オートサプライ鈴木です。

 

ご紹介するお車は 平成26年式 マツダCX-5 KE2FWです。

東京都町田市よりご入庫いただきました。

 

日本全国9万軒の自動車整備工場の中から、オートサプライ鈴木をご指名いただきまして誠にありがとうございます。

 

 

車両情報

車名 CX-5 メーカー マツダ
型式 KDA-KE2FW グレード
初度登録年月 平成26年1月 入庫時走行距離 156,577km

 

 

ご入庫の経緯ですが、当サイトのドライアイス洗浄見積り依頼フォームより以下の内容のご相談をいただきました。

 

ドライアイス洗浄お見積もり依頼

作業理由1
走行距離が多いから, 不具合が出ているから

作業理由2
白煙が出始めので、1月のディーラー定期点検でワコーズのEPSやマツダディポジットクリーナーを一時しのぎのつもりで投入。以降は減少。素人なのでよく分かりませんが、そろそろ寿命が近づいてる感覚がありますが、少しでも長く乗れればと思い連絡させて頂きました。現状及び今まで大きな故障やエラー表示などは無し。ディーラーで半年点検の際に言われるがまま整備、オイル交換等はしてきましたが、自分から意識してのメンテはしていません。

その他作業
ECremaxというものも費用次第で検討したいと思います。

 

メールにて、エンジン吸気系カーボンドライアイス洗浄と、ECremaxの施工費用や所要日数などをお伝えしました。

 

数日後、問い合わせ時よりも、白煙の量が激増してきたということで、店頭までお越しいただきお車の状態を確認させていただきました。

 

ところが、ご来店時には白煙は一切出てきません。

車屋に来ると症状が出ないという あるある ですね。

 

お聴きしている白煙の状況や使用環境などから、白煙が出る原因の仮説をたてオーナー様へご説明しました。

もし、その仮説が合っていれば、当店で施工しているエンジン洗浄で解消できるのではないか、ということでご入庫の予約をいただき、その日はお帰りになりました。

 

今回の作業でご予約いただいた内容

  1. エンジン吸気系カーボンドライアイス洗浄(付帯作業含む)
  2. 冷却水バイパスパイプとホース交換
  3. マルチサーブ 燃料系洗浄、タービン洗浄、DPF洗浄
  4. ECremax(エンジン非分解オーバーホール)
  5. エンジンオイル交換(パワークラスター・ビレンザプロディーゼル5W-50)

最終的に、オートサプライ鈴木で施工可能な最大限の洗浄フルコースになりました。

 

「白煙が出る原因」の仮説は以下の通りです。

  1. マニホールド内にカーボンが大量に堆積し、EGR導入パイプが閉塞する。
  2. EGRが閉塞すると、マニホールド内にはブローバイガスによるオイルを多く含んだエアーだけが流れてくる。
  3. すでに堆積しているカーボンはオイルを吸って流動的になり、エンジン燃焼室へ流れていく。
  4. オイルを含んだカーボンは不完全燃焼し排気され、今度はDPFに堆積する。
  5. DPF内に堆積したオイルを含んだ不完全燃焼カーボンは、条件が揃うと自然着火し燃焼し白煙となって排気される。
  6. 燃焼できるものが無くなると白煙は出なくなる。

発生している症状から推測すると、以上のような仮説をたてることができます。

 

エンジンから出てくる排気ガスやDPF内部の状態は、直接的に見て確認することができないため、あくまで予測でしかありませんが、そうであれば、今回の整備で完治を見込めます。

 

ご予約日に再度お越しいただき作業開始です。

 

※手前のCX-5は、同時期に入庫していたドライアイス洗浄ご依頼の車両です。

 

 

まずは、事前チェックで走行試運転です。

 

 

走行試運転では、明らかな異常は見受けられませんでしたが、中高回転域で多少頭打ちになり、エンジン回転が非常に重い印象でした。

 

 

低中回転域では、標準的なレベルのパワー感で、違和感は全くなく普通に走れてしまうレベルです。

 

 

走行試運転から帰ると、マフラーから白煙が出てきました。

 

白煙の出るマツダディーゼルCX-5

※画像は他のCX-5ですが、白煙が最大に出ている時はこのような状態でした。

 

アイドリングから出ている白煙は、エンジン回転に比例してその量が大きくなっていきます。

 

症状としては、オイル上がりの時とよく似ています。

 

しかし、オイル上がりであれば、白煙が常時出るはずですが、そうではありません。

 

出ない時は、全く出ない・・・。

 

やはり、その後しばらくすると、白煙は全く出なくなりました。

 

 

白煙の状況も確認できましたので、次は外部診断機を接続して故障コードの確認です。

 

故障コードなし。

 

DPFのライブデーターを確認します。

 

新車から610回の再生が行われていることや、再生後76KM走行していることなどが分かります。

表示されている「PM発生量」や「PM畜堆積量」などから、DPFの再生間隔は200KM以上と推定されます。

 

これは、EGRが正常に機能していない(マニホールドの導入パイプが詰まっている)場合に多く見受けられるパターンです。

この時点で、吸気マニホールドと吸気ポートの状態が、ある程度予測がつきます。

 

定番の故障コード「P0401排気ガス再循環(EGR系)システムエラー」が記録されていないのが不思議です。

ディーラーで消されてしまったのかもしれませんが・・・。

 

事前チェックが終わりましたので、作業開始です。

 

マルチサーブ エンジン洗浄

燃料系の洗浄

マルチサーブの燃料系洗浄から開始します。

 

主にインジェクターの洗浄を目的に行いますが、コモンレールやサプライポンプ内も洗浄可能です。

 

ウインズ・マルチサーブをCX-5に接続します。

 

この時は、同時期にもう一台のCX-5がドライアイス洗浄で入庫していました。

 

そのため、工場内の空きがないため、屋外駐車場にてマルチサーブの施工を実施しました。

 

使用するのは、マルチサーブ専用洗浄液「ディーゼル・システム・パージ」。

燃料タンクへ注入する添加剤タイプとは、比較にならない洗浄力を発揮します。

 

エンジンを始動して、洗浄開始。

 

60分程の時間をかけて洗浄終了です。

 

タービン洗浄

燃料系洗浄に続いて、タービン洗浄です。

タービン(ターボチャージャー排気側)に付着したカーボンなどの汚れを強力に洗浄します。

 

マルチサーブ専用洗浄液「ディーゼル・ターボ・サーブ」

 

こちらも、エンジンを始動して強力に洗浄していきます。

 

燃料系洗浄と同様、60分程で洗浄終了です。

 

燃料系洗浄とタービン洗浄を合わせて、合計120分かかりました。

 

洗浄終了後は、マルチサーブを切り離して、早速走行試運転へ行ってきます。

 

エンジン音は、あまり変わったという実感はありません。

 

通りに出て、アクセルを強めに踏み込んでみると・・・。

 

2,500rpmからのドワーーーッ、という強烈な加速です。

 

フロントタイヤが軽くホイルスピンを起こし、タイヤが鳴きました。

 

まだ、燃料系とターボの洗浄しか実施していないのですが、エンジンパワーは別物です。

 

 

しかし、最強のエンジン洗浄は、始まったばかりです。

 

 

吸気系・EGR系のドライアイス洗浄

マルチサーブにて、燃料系・タービン洗浄の次は、吸気系とEGR系に堆積するカーボンをドライアイス洗浄機を使用して除去します。

 

ドライアイス洗浄の開始です。

 

オートサプライ鈴木の定番メニューとなりました、マツダSKYACTIVU-D2.2エンジンのドライアイス洗浄。

 

導入した当初は、予防整備が中心でしたが、新車販売開始から時間が経過したこともあり、ここ最近ではEGRシステムエラーによるエンジン警告灯が点灯した車両整備の方が多くなっております。

 

その数、毎月4~6台。

 

小さな整備工場の当店に、これだけ多くの車両が入庫しているのですから、全国のマツダディーラーでは、相当な数の車両が入庫していることと思います。

 

ディーラーでは、EGRバルブやマニホールドは交換することが多いようですが、当店では可能な限り洗浄にて対応しております。

 

インタークーラーの取り外し

吸気系洗浄はインタークーラーの取り外しから行います。

 

インタークーラー構成部品が外れました。

 

こちらはインタークーラーの出口側。

 

内部の汚れ具合の様子です。

 

吸気洗浄の間、インタークーラーは出口側を下に向けて縦に固定しておきます。

 

さて、お次はエンジン側の分解です。

 

エアークリーナーエレメント

 

EGRパイプ

 

カーボンが付着していますが、走行距離を考慮すると、これくらいは普通です。

 

EGRクーラーが外れました。

 

入口側は、高熱の排気ガスが流れるため、カーボンの堆積はありません。

煙突の内側のように、うっすら付着する程度で全く問題ありません。

 

EGRクーラー内部で、排気ガスが急激に冷却され、カーボンが固形化しクーラー外周や出口側から堆積をします。

画像の状態は、走行距離を考慮すると、かなり良い状態と言えます。

 

EGRバルブと、EGRクーラーバイパスバルブを取り外します。

 

EGRバイパスバルブの状態は良好です。

 

EGRバルブも状態は良好です。

 

吸気温センサーは、軽く湿っています

 

マニホールドが外れました。

 

 

 

吸気シャッターバルブの奥のパイプは良く見えません。

 

吸気シャッターバルブを取り外します。

 

こちらは、裏側(マニホールド側)です。

 

 

いよいよインマニです。

 

想像通り、パイプの出口は、ほぼ完全に詰まっています。

この詰まっている四角い穴からEGRガスが出てくるのですが、これでは機能していません。

 

パイプを外して、マニホールド内部のカーボンを手作業で除去します。

 

約10分間の格闘の結果です。

走行距離を考慮すると、実はこれは少ない量と言えます。

 

カーボンはエンジンオイルを含んでいて湿っている感じです。

 

約200CCの収穫量でした。

 

マニホールドの洗浄

マニホールドは、その複雑な形状からドライアイス洗浄は不向きですので、洗剤に浸けこんで洗浄をします。

 

洗浄には、超音波洗浄機を使用します。

底面には、超音波振動発生機が備え付けられています。

 

カーボンが一気に剥がれ落ちてきました。

 

その他のパーツも一緒に浸け込みます。

 

EGR連結パイプ

 

EGR導入パイプも手作業でカーボンを落としてから浸けこみます。

 

エンジンの吸気ポートの洗浄

マニホールドを外した相手側は、エンジンの吸気ポートになります。

 

ここも、オイルを含んだカーボンがたっぷりと堆積しています。

 

オイルが回ってくる前は、もっと大量のカーボンが堆積していたはずですが、燃焼室へ送られてしまったものと思われます。

 

ポートの奥の方で、吸気バルブステム(シャフト部分)が確認できます。

しかし、ポートの形状上、バルブフェース(傘部分)が目視できません。

 

モニターを使用して、内部を確認します。

 

モニターにも照明が付いていますが、暗くてよく見えないので、LED電球を増設してみました。

 

なんと、このモニターは写真も撮れるのです。

全バルブを撮影します。

 

洗浄前の画像記録を終え、いよいよドライアイス洗浄機を使用したエンジン吸気ポートの洗浄です。

 

吸気ポートに堆積しているカーボンは、全て外部に噴出してきますので、車両を汚さないように厳重にマスキングします。

見栄えは悪いですが、車両の保護が優先です。

 

マニホールドの時と同様に、吸気ポートもピックなどを使用して手作業でカーボンを除去します。

 

 

手作業で除去できるのは、この程度が限界です。

 

これだけの量が出てきました。

これでも、平均的な量と比較すると少ないです。

 

ドライアイスパワー GT-110

店主が個人的に大好きなマシーンです。

 

メディアに該当するドライアイスをセットします。

 

そして、ポート内へドライアイスを高圧噴射していきます。

 

カーボンが除去された部分は、ドライアイスが当たった所です。

 

バルブステム後方や、フェース部分は各種ノズルを使い分け確実にカーボンを除去していきます。

 

こちらは、バルブ3兄弟。

兄弟全てにモーターが装着されているため、先ほどの温泉での洗浄ができないため、ドライアイス洗浄にて洗浄します。

 

数時間後、エンジン吸気ポート、マニホールド家族、バルブ3兄弟は、それぞれ新品同様に洗浄再生されました。

 

しかし、まだ組み立て工程には入りません。

 

とても重要な付随作業があるからです。

 

すでにご存じの方も多いかもしれませんが、樹脂製の冷却水バイパスホース。

 

こちらが劣化して冷却水が漏れるという、信じられないトラブルが多く発生しております。

 

冷却水が漏れるとどうなるの?

オーバーヒートします。

アルミブロックのディーゼルエンジン、オーバーヒートで致命傷を負ってしまいます。

エンジン交換、その費用約100万円。

転ばぬ先の杖。

交換がまだの場合は、吸気系ドライアイス洗浄と同時作業をおすすめします。

単体で施工するより工賃が節約できます。

 

金属製へ仕様変更された対策品がありますので、そちらへ交換します。

 

これでもう安心です。

 

 

エンジンの吸気ポート洗浄と付随作業が終了しました。

 

 

 

4シリンダー2バルブですので、8つのポート全てご覧のような状態になりました。

 

EGRクーラーバイパスバルブへ接続されるHOT EGR部もご覧の通りです。

 

洗浄後のマニホールド家族とバルブ3兄弟。

 

組付けに使用するガスケット類、

 

ラジエーターアッパーホースやインシュレーター、

 

エアークリーナーエレメントやラジエーターキャップなど、吸気系ドライアイス洗浄の標準作業にパッケージ化しました。

 

店主のこだわり、組付けはトルクレンチ使用。

達人なら手加減で良いのかもしれませんが・・・。

 

マニホールども新品のようです。

 

EGRバイパスバルブ取付部分

 

 

 

カーボンが詰まっていたパイプ

 

洗浄後

 

洗浄前

 

 

吸気シャッターバルブ

 

 

洗浄後

 

 

洗浄前

 

 

 

 

 

 

 

吸気圧センサー

 

吸気温センサー

 

順調に組み付けが進みます。

 

 

EGRバルブ

 

EGRクーラーバイパスバルブ

 

EGRクーラー

 

出口側もご覧の通りです。

 

 

 

 

エアークリーナーエレメントも交換します。

 

縦に固定しておいたインタークーラーから出てきたオイルです。

 

パーツクリーナーにて仕上げ洗浄をします。

 

 

冷却水(スーパーロングライフクーラント)を補充します。

 

エンジン始動前に各部J必要な初期化リセットをします。

 

エンジン始動です。

 

エンジンを完全に暖気させエア抜き完了後、ラジエータキャップ交換して吸気系ドライアイス洗浄の作業終了です。

 

そして、走行試運転です。

 

マルチサーブによる燃料系、タービン洗浄完了後の試運転では、明らかにエンジンフィーリングが向上し、パワーアップを感じました。

 

そして、吸気系ドライアイス洗浄後は、高回転域までパワフルに回るようになりました。

 

残る作業は、マルチサーブDPFとECremaxです。

 

 

今回のブログで長くなってしまいましたので、続きは【後編】でご紹介します。

 

 

最後までご覧いただきありがとうございます。

 

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