平成25年式 トヨタ高級ミニバン アルファード ANH20W

足回りのリフレッシュ整備のご依頼です。

 

走行距離は163,178KM。

 

経年劣化による走行安定性を新車同様に戻す作業のご紹介です。

 

 

まずは、お客様からいただいたフォームでご相談いただいた内容をご紹介いたします。

 

アルファードの足回りのリフレッシュを検討しています。

最近通勤距離が延びたために,車の挙動の不安定さが気になるようになってきました。

そんな時に,御社のブログでベルファイヤの足回りをリフレッシュしているのを見て,自分も検討したいと考え,メールをさせていただいています。

走行距離が15万キロとなり,振動や揺れの収まりの悪さが非常に気になるようになりました。そこで,ブッシュ類を含めたサス交換の見積もりをお願いしたいと思います。

基本的には、以前のグログで紹介されているベルファイヤで行った整備が基本となると思います。

また,CVTオイル交換も同時に行いたいと考えています。

不具合はありませんが,これまで一度も交換したことが無いので,今回同時に行いたいと考えています。

 

新車から8年経過、15万Km走行。

そろそろ、サスペンション・足回り各部の劣化が限界に達していることが想像されます。

 

オーナー様のご希望プランは、以前のブログでご紹介させていただいたヴェルファイアの足回りサスペンションリフレッシュ整備と同じように、ブッシュ類を含めたサスペンション交換です。

 

アルファードやベルファイアに限らす、トヨタのFF車ミニバン全般に当てはまりますが、リヤサスペンション構造が新車のときからお世辞にも乗り心地が良いとは言えないものとなっております。

 

ただでさえ乗り心地が良くないものが経年劣化するとどうなるか。

容易に想像ができますね。

 

走行安定性の悪化や乗り心地の悪化です。

そのようなお悩みのお車の入庫が大変増えております。

 

 

それでは、実際の作業をご紹介いたします。

 

予約の日程でご入庫いただいて、まずは早速走行試運転を行います。

 

オーナー様のおっしゃる通り、振動や揺れの収まりの悪さを感じます。

オートサプライ鈴木周辺の一般道で低速度での試運転です。

 

これが高速走行であれば、さらに状況は悪化すると想像できます。

 

 

整備前の状況を確認できましたので作業開始です。

 

 

クルマをリフトで持ち上げタイヤを外します。

 

前後のサスペンションをリフレッシュしていきますが、リヤ側から着手します。

 

 

リヤサスペンション全容です。

 

このタイプのリヤサスペンションは、車体側との接続は2か所しかありません。

 

この2箇所のブッシュが劣化すると様々な不具合を生じます。

 

固くなってしまえば乗り心地の低下。

 

変形してしまうとアライメントの変化。

アライメントが変化すると直進安定性の悪化。

 

 

かなりの力が加わる部分ですので、しっかりとした大きなブッシュが装着されていますが、タイヤハウス内からは劣化状況が全く見えません。

 

 

車両の下からブッシュ裏側を確認してみます。

 

 

右側です。

亀裂が確認できますね。

 

 

左側も同じように亀裂があります。

 

亀裂があるから悪い、というわけではありません。

亀裂が入ってしまうほど、ゴムが劣化し固くなってしまっている、ということです。

 

本来は、しなやかに動くはずの関節部分が固くなってしまっては、本来の動きは不可能になります。

それで、挙動の悪化や乗り心地の悪化が起こるわけです。

 

 

これを直すにはブッシュ交換しかありません。

 

ブッシュを交換する方法はいくつかありますが、車ごとに最適な方法を選択して作業しております。

 

20系アルファードはリヤアクスルビームを降ろさなくても交換可能ですが、今回は降ろして作業をします。

 

 

それでは、リヤアクスルビームASSYを車両から降ろします。

 

 

慣れた作業ですので、すぐに降ろすことができます。

 

 

先ほど、内部の状況が見えなかったタイヤハウス側のブッシュの様子です。

 

真ん中の芯を4つの筋で押さえている構造です。

4つの筋は本来同じ形状ですが、それぞれが別の形に変形しているのが確認できます。

 

 

専用工具を使用して抜き取ります。

 

 

新品ブッシとの比較です。

新品ブッシュは張りがあって見るからにしなやかそう。

 

挿入もあっ!という間に完了です。

 

ブッシュ交換にあわせて今回の作業に付随する部品も全て交換します。

 

ショックアブソーバー

 

路面からの衝撃を吸収して、乗り心地が改善します。

 

 

サスペンションシート

 

 

サスペンション・スプリングの上下に装着されています。

乗り心地改善とギシギシ音の解消になります。

 

 

リヤアクスルビームを降ろすために、障害となるリヤマフラーを降ろします。

その作業に付随する部品交換をします。

 

マフラーサポート

古い方は伸びているのがわかります。

 

 

マフラーを正規の位置に戻します。

 

 

マフラーのガスケット

排気もれを防ぎます。

 

接続ボルトとスプリング

 

確実に接続して排気もれを防ぎます。

 

その他、ブレーキの配管、ケーブルなどを接続してリヤ側の作業は終了です。

 

 

続いてフロント側の作業に入ります。

 

 

 

この辺りは全て外します。

 

 

ナックル・ハブASSYを外します。

 

 

続いて下側からの作業

 

 

スタビのブッシュ

 

ロアアームの取り付けボルトを抜きたいのですが、CVTのオイルパンが障害となります。

 

 

仕方がないので、メンバー取り付けボルトを緩めてメンバーを丸ごと下げていきます。

 

 

 

 

メンバーが下げると、CVTオイルパンをかわしてボルトが抜けてきました。

 

 

フロントサスペンション・ロアアーム

 

 

付け根のブッシュの劣化具合です。

 

このブッシュも劣化して硬くなっております。

しなやかな動きは期待できません。

 

 

ロアアームのブッシュは単品での供給がないため、丸ごと交換になります。

 

 

装着しますが、まだ仮止めです。

 

続いて、ショックアブソーバーとその付随部品の交換です。

 

サスペンション・スプリング以外はすべて交換になります。

 

この部分は、再使用してしまうとギシギシ音の原因になります。

 

 

専用工具でスプリングを押し縮めて作業をします。

 

 

交換終了です。

 

 

ナックル・ハブASSY

 

ロアボールジョイントの交換です。

 

 

この部分はブーツが切れていなくても、内部のグリスの劣化により軟化しグリス漏れが発生します。

 

ジョイントも劣化しますので、新品に交換することで動きがシャープになり挙動が安定します。

 

 

 

 

先ほど外したスタビブッシュ、新品との違いをご覧ください。

穴の大きさに注目してください。

 

 

続いてスタビリンクロッドの交換です。

 

 

 

 

乗り心地には直接関係がないタイロッドエンドも交換します。

 

サスペンション交換と相まって、シャープなハンドリングになります。

 

 

 

前側のサスペンションが組み上がりました。

 

最後の仕上げ作業に入ります。

 

ブレーキラインのエアー抜きとフルード交換です。

 

エンジンルーム内のブレーキタンクに新油を注ぎながら

 

各輪のシリンダーのプラグを開いて、エアーを抜きながら新油が出るまで古いフルードを抜いていきます。

 

続いて1G締め付けです。

 

前後のサスペンションと車両取り付け部は、仮止めになっています。

 

車両をリフトから降ろして、接地した状態で締め付ける必要があるからです。

 

トルクはメーカーのサービスマニュアルに従って締め付けします。

 

タイヤをリフトに設置させて作業をします。

 

フロントロアアーム部

 

リヤアクスルビーム部

 

仕上げに4輪アライメントの点検・調整になります。

 

ただし、この作業は専用の設備(新品は10,000,000円ほどする)が必要なため、外注作業にてお願いしております。

いつか自社で導入したいですね。

 

 

アライメント調整が無事に終了すると、乗り心地や直進性、ハンドリングが新車のようになります。

 

発進加速やコーナーリング、減速停止。

走る、曲がる、止まる、のすべての動きがまるで新車です。

 

高級ミニバンの名に相応しい乗り心地を取り戻して、足回りリフレッシュ整備は終了です。

 

 

今回の作業で交換した部品一式

 

作業期間 2週間

費用 35〜40万円

 

次は同時にご依頼いただいたCVTオイル交換はこちら

もちろんオイルパン洗浄・ストレーナー交換も実施。

 

 

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