平成24年式 ランドクルーザー200 URJ202
トルコン太郎によるATF全量圧送交換のご依頼です。
同時作業でオイルパン洗浄・ストレーナー交換も同時作業で実施します。
ランクル200のエンジン、ATは2系統あります。
4.7リットル 5ATのUZJ200
4.6リットル 6ATのURJ202
今回ご入庫いただいたのは後者のURJ202。
事前調査では、URJ202のATFを圧送交換をするためにはアタッチメントが必要でした。
入庫に際して、
「弊社で所有しているアタッチメントが適合しない場合は、新規に作成が必要になりますので2~3日間のお預かりとなります」
とお伝えしてお預かりさせていただきました。
入庫後に弊社所有のアタッチメント数個を確認しましたが、どれも適合しませんでした。
今回は新たにランクル200専用アタッチメントを作成してからの圧送交換になります。
さて、記念すべきランクル200のATF交換第一号車は中期型のZX。
1UR-FEエンジン 4,608CC
最高出力 318ps/5,600rpm
最大トルク 46.9kg・m/3,400rpm
電子制御された6速ATが、この大パワーを路面へと伝えます。
その任務を果たすために充填されているのがATF。
新車時に充填されているATFは、トヨタ純正【オートフルードWS】です。
現行のトヨタ(レクサス含む)車は、小型ハイブリッド車から重量級のランクル200、さらに多段変速ATのレクサスまでAT車はこれ一本に統一されています。
アフターで交換するATFは適合の範囲であればメーカー・ブランドを自由に選ぶことが可能です。
しかし、いざATFを交換しようというと思っても、頭を悩ますのがATF選び。
現在、市販されているATFには、たくさんの種類があります。
ワコーズやニューテックなどの高性能ATF、純正ATF、ノーブランド廉価版オイル、などなど。
信用度で選ぶなら純正ATFでしょうか。
専用設計ですので、適合が悪くて故障するということはありません。
性能は中、通常は鉱物油ベースのオイルです。
性能アップで選ぶなら社外高性能ATF。
ワコーズやニューテックなどのATFになります。
純正以上に強化された油膜が潤滑性、動力伝達性、耐熱性、耐久性を発揮しATの性能を引き上げてくれます。
スムーズなのに、力強い走り。
ATFの性能アップは、新車のような走りを楽しめます。
性能は上~特々上まで様々。
鉱物油ベースから100%化学合成や豪華なエステル系を使ったものまで、幅広く選択可能です。
コスト重視で選ぶならリーズナブルなATFとなります。
弊社ではアイシンのATFが該当します。
鉱物油ベースで純正同等性能です。
幅広い車種に適合しますが、一部適合しない車種もあります。
さて話をもとに戻します。
今回、ランクル200のオーナー様が選んだのはワコーズ最高峰のATFプレミアムS。
純正ATFから、油膜性能が圧倒的に勝るワコーズへ全量交換します。
今後はワコーズATFプレミアムSが性能を発揮して、重量級ランクル200のATに求められる油膜性能、潤滑性、動力伝達性、耐熱性、耐久性を高い次元で満たしていきます。
世間では何かと誤解の多いATF交換。
あまり認知されていないオイルパン洗浄とストレーナー交換。
この2つの整備は、AT(オートマチック・トランスミッション)の故障予防ができる唯一のメンテナンスです。
故障予防だけでなく、AT内部の摩耗や劣化を可能な限り防ぐことが可能です。
そう遠くない時期に迎えるであろう、走行10万kmは単なる通過点に過ぎず、定期的なメンテナンスにより20万kmや30万kmも調子を維持した状態で迎えることができるでしょう。
ATF交換には、全量圧送交換が可能な高性能チェンジャー「トルコン太郎」を使用します。
今回ご紹介するランドクルーザー200の走行は7万km弱です。
10万kmを超えてからATF交換をするお車が多いですので、それと比較すると走行距離は少な目。
ATFの劣化が原因でAT本体にダメージを与えてしまう前にATF全量交換することは、今後のコンディションの維持に非常に有効になります。
ランクルに限らず、ATのコンディションを新車に近い状態で維持するためには、5万kmを超えてきたらATF交換をご検討ください。
それでは、作業に入ります。
いきなりATFを抜いたり、オイルパンを外したりはしません。
入庫 ⇒ 問診 ⇒ 走行試運転 の順で始めます。
この走行試運転は、ATF交換前のATミッションの状態や、車の調子を確認する目的で行います。
実は、ランクル200の走行試運転は初めてだったのですが、車両重量が2.5tもあるためか、ランクル80や同100とは走行フィーリングが全く異なります。
ランクル100の軽快な5AT変速フィーリングとは少し異なり、しっかり変速感を感じました。
特に異常は見当たらず、無事に走行試運転は終了です。
次に、外部診断機を使って過去の故障コードの履歴を確認します。
故障コードなし。
こちらも問題なし。
走行試運転、故障コードの結果に問題がありませんので、ここからようやくATF交換作業に入ります。
リフトアップ。
ATオイルパンを確認。
すごいガードが標準装備です。
完全密閉式のオイルクーラー。2本のホースは冷却水が通ています。
このタイプのオイルクーラー採用車は、ATオイルチェンジャーをクーラーラインモードで使用することはできません。
オイルクーラーホースが外部にないので、このままでは圧送交換ができません。
圧送交換ができないということは、高性能なトルコン太郎でも本来の価値が発揮できません。
圧送交換をするためには、アタッチメントを接続する必要があります。
そこで、オートサプライ鈴木は自社にて専用アタッチメントを開発して圧送交換に対応しております。
自社制作したランクル200専用圧送交換アタッチメント。
技術と経験、専用工具を揃え、自社にて車種別専用アタッチメントを開発、作成しております。
ネットで調べましたが、URJ202をアタッチメントを作成して圧送交換している例はみつかりませんでした。
と、いうことは今回のランクルURJ202のATF圧送交換は日本初かもしれません。
車種別専用アタッチメント。
これがないとトルコン太郎自慢の圧送交換はできません。
現在では、国産車のほぼ全ての車種で対応可能としております。
※軽自動車などエンジンルームのスペースが非常に狭い一部車種で対応不可の場合があります。
ランクル URJ202 専用アタッチメントが無事に完成しましたので、作業を再開します。
ATFをオイルパンから抜いてオイルパン洗浄、ストレーナー交換をします。
排出するATFは全て回収して計量します。
専用ボトルに廃油をサンプルとして採取しておきます。
サンプルは、交換途中や交換後に比較に使用します。
オイルパンを外しました。
内部は走行距離の割にはきれいな状態。
外されたオイルパン。
スラッジは重力によりオイルパン底部に堆積していきます。
内部の摩耗で発生する金属粉はマグネットに吸着します。
オイルパン底部の堆積も少な目です。
走行距離が少ない時期からのメンテナンスは新車で購入した方の特権です。
スラッジの洗浄後、クロスで入念に磨きあげました。
オイルパン洗浄完了です。
ガスケットも新品に交換します。
新旧オイルストレーナー。
左 新品
右 使用後
新品の吸い込み口は薄いベージュ色ですが、使用後は赤黒くなっています。
ストレーナーとオイルパンを元通りに組み付けします。
その後、一番最初に排出した同量のATFを補充します。
この補充を【初期補充】と言います。
初期補充はドレンアウト方式でATFを1回交換したことと同じです。
補充する新品ATFは決して無駄にはならず、この後の圧送交換によるプレ洗浄前の洗浄効果があります。
初期補充が済みましたので、ランクル200専用圧送交換アタッチメントを装着します。
トルコン太郎のホースをつないで圧送交換の準備完了!
エンジン始動します。
トルコン太郎をつないだ状態でエンジンを始動すると、AT内部に流れているATFが真ん中のモニターへ流れ込んできます。
全量10.4リットルに対し、初期補充は5.5リットル。
ATF約半分の入れ替え後の状態です。
左のボトルは最初に採取した廃油です。
比較すると多少きれいになっているのが確認できますが透明度は低いですね。
街のカー用品店やGSで実施しているような単なるATF交換はここでおしまい。
オイルパン洗浄もしないでしょうから、もっと条件は悪くなるはずです。
それでも、全量の1/3~1/2を新油と入れ替えていますので、ATの変速フィーリングも体感できるほど良くなることがあります。
しかし、残念なことに半年もすれば元通り。
AT洗浄作業を省いていますので新油がすぐに劣化してしまうからです。
ご予算重視で、カー用品店はGSでの交換を選ぶのも自由。
ご予算をしっかりと組んでいただき、ATオイルパン洗浄とストレーナー交換、圧送交換によりATFを新品同様までの入れ替えを選ぶのも自由です。
ATF交換に対して、何をお求めになるのか。
ATのコンディション維持をお求めの場合には、オートサプライ鈴木へご相談ください。
さて、話がそれてしまいましたので作業に戻ります。
オイルパン洗浄・ストレーナー交換後の初期補充が済みATFを循環してAT内部をクリーニングしています。
クリーニングタイム終了後、1回目の圧送交換になります。
弊社でお受けしているATF交換はほとんどの場合で、プレ洗浄と最終交換の2回交換交換コースです。
モニター越しに見えるATFがきれいになるまで交換をすることを目的としているからです。
ただし、走行距離や過去のATF交換履歴により影響を受けますので1台1台異なる状態にあわせてご提案させていただいております。
さて、クリーニングタイムが終了しましたので、プレ洗浄となる1回目の圧送交換を開始します。
トルコン太郎が圧送交換する様子を動画にしましたのでご覧ください。
【注意】動画は音がでます!
プレ洗浄としての圧送交換が終了しました。
先ほどのまでランクル200のAT内部に流れていたATFと新油を一気に全量交換しました。
廃油と比較するとかなりきれいに交換ができました。
この新油がAT内部を循環して汚れを洗い落としていきます。
フラッシングオイルなどの洗浄力が強い方が良いのでは?と思われがちですが、実はATの場合は内部を痛めてしまいますので洗浄にはATFを使用します。
カーメーカーの整備マニュアルにもAT関連の洗浄はATFを使用すると記載されています。
ATFがランクルのAT内部とトルコン太郎を循環してクリーニングが終了しました。
この後はいよいよ本命のワコーズATFプレミアムSでの全量入れ替えです。
トルコン太郎内部にセットされているATFを入れ替えします。
アイシンAFWからワコーズATFプレミアムSへ。
そして、最終交換になる2回目の全量圧送交換です。
こちらも動画でご覧ください。
【注意】動画は音がでます!
さて、交換が終わりました。
なんていう事でしょう。
冒頭で真っ黒に近かった廃油から透き通たATFへ変貌しました。
気持ち良さそうに流れています。
一定時間の経過後、ランクルのエンジンを止めトルコン太郎を切り離します。
ランクルから専用アタッチメントを取外します。
オイルクーラーのオーリング(ゴムのパッキン)も新品交換。
元通りになりました。
ここまでは誰でもできる簡単な作業です。
ここからが難しい?領域へと入っていきます。
現在のATの主流は、レベルゲージがありません。
トヨタも交換も調整も不要と言い切っていますから確認用のゲージは不要なのです。
完全密閉式と呼ばれ、全ての穴がふさがれています。
それでも交換したい場合は、メーカーが発行している整備マニュアルを解読しなければなりません。
解読できればそこにはATF交換の手順が記載されています。
ただし、圧送交換の手順は記載されていません。
過去に数百台の交換実績から、オートサプライ鈴木ではメーカーのマニュアルをもとにオリジナルな圧送交換とフルードレベル調整方法を確立しております。
基本的にメーカーが意図した温度、意図した量に調整します。
ランクルURJ202のATFの場合は35~43℃。
34℃以下と44℃以上の時は調整ができません。
エンジン始動時は10℃。
なかなか上がらず、やっと35℃になりました。
量の調整は、多めに入れたATFを排出するというものですので、事前に多めに補充しておきます。
補充の方法と補充量に秘伝の技が光ります。
排出してATFの量を合わせています。
どこまで排出させるかの判断も簡単ではありません。
何事も経験が必要です。
レベルゲージの無い車種のATF交換は、小型車からレクサスまで過去に数百台の実績のある、オートサプライ鈴木へお任せください。
さて、完璧なフルードレベル調整を終えましたら各部の最終確認。
外した部品やボルト類の緩み、全ての工程の再確認をします。
問題がなければ、ATF交換作業後の走行試運転です。
おおお~っという感じで、停止からの発進で変化を感じたり変速ショックが全くなくなることもあります。
今回のランクル200は車重が2.5トンもありますので、軽快な変速フィーリングというよりは、エンジンのトルクをしっかりと路面に伝えている印象の方が強いです。
走行試運転の後、最終的な故障コードチェックをして作業完了です。
今回は劣化が想定される純正ATFから高性能ワコーズATFへ一気に全量交換しました。
ATFが急に全量入れ替わってしまう訳ですから、ATがびっくりしないようにATコントロールコンピューターの学習値初期化もいたしました。
今後はワコーズATFプレミアムSに合った学習が積みあがっていくことでしょう。
お客様の声
燃費が6から8になりました(リッター2キロ伸びた)
ランクル200(6万8000キロ)でお世話になりました。
トルコン太郎で『ATF全量圧送交換』をしていただきました♪
交換後、連休で名古屋まで走ってきてトルクアップ、シフトチェンジが滑らかになった気がします(笑)
燃費は6から8になりました!!!!!!!!!!!!!!!
(これはビックリ×3)
またヨロシクお願いします☺
トルコン太郎 サイコ==
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